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キャバ嬢が生まれる瞬間(75)〜カメラマンに憧れていた女〜

 私は大学を合格して島根から上京した。学生時代はネットで知り合った友達とルームシェアしていたんだけど、学費と家賃ですぐに貯金は尽きて、学校も中退することになった。それからはカフェでバイトしていたのだけど、そこに来るお客さんは、本を読んでいるか、マックパソコンで作業しているか、一眼レフカメラを首から下げたオシャレ系な女子ばかり。特に先輩がラテアートを作ると必ず大きなカメラで写真を撮っていくんだよね。たぶんコーヒーを飲みに来るのが目的じゃなく、ラテアートを撮りにきているんだと思う。

 それを見ていたら、ラテアートなんて写真に撮ってどうするんだろうと思うようになった。たぶん彼女達のカメラの中には、動物や空やラテアートの写真ぐらいしか入ってないのだろう。それに気付いた時、私こそがカメラマンになるべきだと思ったんだよね。私ならもっと優秀な被写体を見つけて激写することができると思う。だって以前、スカイツリーの前を通ったときも、多くの人から写真撮影を頼まれたことがあるからね。それって私がうまい写真を撮りそうというセンスが、相手に伝わったからに違いない。

 それでさっそく一眼レフカメラ、望遠レンズ、三脚など機材の値段を調べてみてビックリ。とても今のバイト代じゃ払える値段じゃなかった。カフェのアルバイトは時給が安いからさ。だから私は、カメラの機材を買うためにキャバクラで働くことにしたんです。カメラ女子に負けないためにも、まずは高いものを揃えないとね。だからキャバでたくさん働いて、高級な機材で、山とか海に撮影しに行きたい。まだ何を撮るかまでは考えてないけど、歩いてればそういう物体は向こうからやってくると思うな。それを写真コンクールに応募して、天下獲ってみせますよ。

(取材/構成・篠田エレナ)

写真:eafaringwoman

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