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私はこうしてお客様に落とされた 〜一ノ瀬ゆかり・キャバ嬢(21歳)〜

 「ゆかりちゃんって、21歳には見えないよね」
 「…それって老けてるって言いたいんですか?」
 「違う、違う! 見た目は若いんだけど中身がしっかりしてるから、いまどきの子にしては珍しいよな〜と思って」

 本当に? ありがとう! と満面の笑みを見せながら、お客様の手をギュッと握ってはみるけど、まったく嬉しくないんだよね…。

 物心ついたときから、「しっかりしてるね」とか「女の子なのに強いね」なんて言われることが増えて。人間って不思議なもので、そうやって言われ続けると、「ああ、私ってしっかりしてるんだ。可愛いじゃなくて、強い女の子なんだ」って、自分でも暗示をかけるかのように思い込んでしまうんだよね。

 だから、絶対にサボっちゃいけない、泣いて弱みなんかも見せちゃいけないって、ずっと自分に言い聞かせてきたんだと思う。1年前、この世界に入ったのも、女だからってバカにされることもなく、実力次第でいくらでも上を目指せると思ったから。でもね、正直、たまに疲れる…。

 「ゆかりさん、3番テーブルお願いします」

 ボーイくんに呼ばれて、3番テーブルの方に目を向けると、大島さんの姿が見えた。

 「大島さん! 来るならメールしてくださいよ〜」
 「ああ、ごめんね。ちょっと渡したい物があったから寄ってみたんだよ」

 はい、これ。と、手に握っていた小さい紙袋を渡された。別に誕生日でもないのに…なんて思いながら、袋から小さな箱を取り出すと、ピンクのダイヤが散りばめられたピアスが目に入ってきた。

 「出先で見つけたんだけど、ゆかりに似合いそうだなと思って…」
 「ええ! 絶対にピンクとか似合うキャラじゃないでしょ、私!」

 でも、いつも強がっている私だからこそ、ピンク=女の子として見てくれているということが嬉しくて仕方なかった。私も心のどこかで、本当は普通の女の子として接してもらいたかったのかもね。

取材・構成/LISA
アパレル企業での販売・営業、ホステス、パーティーレセプタントを経て、会話術のノウハウをいちから学ぶ。その後、これまでの経験を活かすため、フリーランスへ転身。ファッションや恋愛心理に関する連載コラムをはじめ、エッセイや小説、メディア取材など幅広い分野で活動中。
http://ameblo.jp/lisa-ism9281/
https://twitter.com/#!/LISA_92819

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