この日の『ひるおび!』は、東京都内を最近騒がせているイノシシの問題を特集。スタジオでは、東京都足立区と八王子市内に出現した2件のケースを中心に、日本人とイノシシがどう共生してきたのかを振り返りつつ、イノシシの身体能力や十二支に選ばれた理由などを紹介していた。イノシシを研究している茨城県つくば市の農業研究センターからの中継もあった。
まさに、「イノシシ大特集」ともいうべきこの日の『ひるおび!』だったのだが、視聴者からは疑問の声が多く挙がっていたという。
その多くは、『ひるおび!』のイノシシ問題に対する認識に「ズレ」があったとするもの。「イノシシ問題はいいんだけど干支になった理由とかは今関係があるの?」「駆除の話とか、もっと実用的な話はないのか」「根本の問題を無視してイノシシの生態に話題をずらそうとしれている」との声が飛んだ。
特に視聴者たちからひんしゅくを買ったとされるのが、中継先の農業研究センターでイノシシにエサをやるシーンだった。イノシシはミカンなど人間が作った農作物を食べることがあるという。中継では、研究センターで飼われている幼体のイノシシにミカンをあげていた。
しかし敷地内に傾斜があったのが災いしたのか、イノシシに渡したミカンがコロコロと坂道を転がっていき「行方不明」に。イノシシがミカンを追いかけ、カメラから遠ざかり、レポーターは大慌て。この光景をスタジオで見ていた司会の恵俊彰ら、出演者はスタジオで爆笑。大きな笑いが起こる中、ロケは終了となったのだ。
このあまりに「ノー天気」ともいえるロケ中継にネットでは「害獣駆除は社会問題なのに茶化してて不快だった」、「豚コレラ感染など笑えない問題もあるのにふざけすぎ」、「もっと真面目に特集してほしかった」といった声が相次いだ。
生放送番組としては、この手のハプニング映像は確かに「おいしい」のかもしれないが、場所と状況をわきまえて正確に伝えることが情報番組の役目ではないか。