『Black Eyed Kids(BEKs)』=(黒い目の子供たち)と呼ばれる妖怪めいた彼らは、目玉の白い部分も真っ黒で、一見普通の10代の子供に見えるが、他人の家の中に入りたがったり、車で送ってほしいとせがむと言われている。性質が悪いことに、これを拒否するとぶちきれることがあるという。
恐怖に怯えた人々は、「エイリアンチルドレンか?」「吸血鬼か?」「幽霊ではないのか?」「カラーコンタクトを使った悪質な悪戯か?」とヒステリックになっているが、今もって正体は不明である。
Black Eyed Kids(BEKs)の初の目撃事例は、1998年にジャーナリストのブライアン・ベテルが駐車場で目玉が黒一色に塗りつぶされた二人の子供に遭遇した事件である。黒い目玉の子供たちは、車で家まで送ってくれと頼んできたが、一種異様なムードを察知したベテル氏が拒否すると、車のドアを強引に開けようとしたらしい。
2008年には、カンザス州・ハッチンソンにて、ケイティーという女性が仕事場から自宅に帰宅したときにティーンエイジャーの二人の少年に遭遇した。この少年たちは何か月も前から、付近で姿を目撃されており、不気味に思ったケイティーは道路を横断するとすぐに玄関に入ろうとしたが、どうしても気になってしまい「なぜ、私の敷地に入ったのか?」と少年たちに訪ねたとこ ろ「電話を貸して欲しかったんです」と答えた。不気味に思ったケイティーが「生憎、電話は持っていない」と答えると、少年たちは今度は「水が欲しいんですが」と言ってきた。この時、彼女は少年たちの目に白い部分がなく、全てが黒いことに気がついた。
他にも多くの目撃談が報告されているが、子供たちの正体は不明のままで、謎は益々深まるばかりである。このように、目玉が黒ないし、白一色で塗りつぶされているという事例は、映画『呪怨』の俊雄などに代表されるように幽霊談に多かったが、一部の情報ではエイリアンにも瞳が存在しない、単色の目玉であった固体がいたという事例もある。
どちらにしろ単色の目玉を持つ動物と違って、『白目』の部分はひとつの人間らしい特徴であり、それが無い場合、なんとも言えない違和感が生じるのは仕方ないであろう。その違和感が、不気味なフォークロアを生み出したといえる。
果たして、街中に出現する謎の存在、黒い目の子供たち=BEKとはいったい何処からやってきた何者であろうか。アメリカ現代社会の病巣がみてとれる都市伝説ともいえよう。
(山口敏太郎)