一見荒唐無稽な話に思えるかもしれないが、ナチス・ドイツは新兵器として全翼機やローターを内蔵したヘリコプターなどを開発しており、これが見ようによっては円盤状に見えるため、UFO開発疑惑に繋がったとされている。
だが、中には本当にUFOのような見た目と性質を持つ秘密兵器も開発されていたというのだ。
それが“ナチス・ベル”とも呼ばれた秘密兵器ディグロッケである。
ディグロッケは高さ3.6〜4.5メートル、幅2.7メートルの釣鐘型で、大量の電力によって自在に飛行することが可能とされて開発が急がれた。
1944年12月にポーランド南部のルドヴィコヴィッチュ村のヴェンツェシュラスコ廃坑に秘密基地を構えて開発実験が行われたとされている。しかし、ディグロッケは作動時に強力な放射線と電磁波を放つため、研究に携わった人物が被害に遭ったりしたという。
この実験は敗戦濃厚になった1945年4月に開発最高責任者のハンス・カムラーがヒトラーの命を受けて施設を破壊、闇に葬られることとなった。
しかし、その技術は完成しており、ヒトラーやナチス高官らが南極へ逃げるために活用されたとも、カムラーが技術を持ち出しアメリカへ亡命したとも言われている。
現代でも様々なUFO陰謀論に度々登場するディグロッケは、今も世界の空を飛び回っているのかもしれない。
文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所