基本的にネッシーは遠目から確認されるのみであり、至近距離で目撃されることはほとんどない。
だが、そんなネッシーには過去に人を襲って殺したという逸話が残っている。
1527年頃のこと、真夏の早朝に数人のハンターがネス湖に狩りへ赴いていた。この頃にはネッシーという通称こそないものの、「巨大な怪物」が住んでいるという噂は伝わっていた。そのため、彼らも銃などで充分に身を固めていたという。
彼らが狩りを行っていると、やがて湖の中から巨大な怪物が姿を現した。そして周囲の木立を尾でなぎ倒しながら、湖から森へ向けて進んでいったという。ハンターらは銃で応戦したものの、3人が尾の一撃で即死。身の危険を感じた残りのハンターは木陰などへ隠れ、難を逃れたという。
さて、ネッシーの姿はこれまでの証言などから、古代の巨大爬虫類プレシオサウルス等に似ていると言われている。だが、プレシオサウルス等の首長竜はいずれも尾が短いため、「尾で木をなぎ倒せる」ことは不可能ではないかとみられている。だとすると、ネス湖周辺にはこれまで知られていない別の巨大生物も存在していたのだろうか。
果たして、彼らの目撃したものは何だったのだろうか。
文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所