2008年3月のドバイ・デューティーフリーから手綱を握ってきた武豊から、鞍上をクリストフ・ルメールへとスイッチ。秋2戦でらしさを見せられなかった女王に対してできるだけの策を打つ。陣営のJCに懸ける意気込みが伝わってくる英断だった。
1週前追い切り(Wコース)ではそのルメール=ウオッカが初コンタクト。5F68秒5、ラスト1F11秒8をマークした。秋2走の敗戦のショックを吹き飛ばすかのような素晴らしい瞬発力でフィニッシュを飾った。
「前走後も回復が早く、すこぶる順調にきている。結果は出ていないけど、状態に関してはいうことないし、1週前に乗ったルメール騎手にもいい感触を得てもらった」と清山助手。
05年の有馬記念でディープインパクトに土をつけたハーツクライ、そして、昨年のJCダートでのカネヒキリ…世界、そして日本の一流馬の背中を知る男がその感触に感嘆の声を上げた。
「過去にボク自身、JCで2着が2回(04年コスモバルク、05年ハーツクライ)ある。すごく取りたいレースだし、彼女とのコンビは素晴らしいチャンスだと思う」
女王復活へ。フランスの最強助っ人を背に、初の世界の頂へと挑む。
【最終追いVTR】ルメール騎手がまたがり、Wコースで5F66秒2→50秒9→37秒6→11秒6(馬なり)。例によって3頭併せで追われた。終始、馬任せの内容だったが、体全体を使ったフットワークで最後は併走馬に3馬身先着を果たした。秋3戦の中でも最も反応がいい。