重賞初制覇は目前だ。ホッコーパドゥシャが調子を上げてきた。
前走の七夕賞は3着。ミヤビランベリを猛追したが、あと一歩およばなかった。鹿屋助手は悔しさを込めて振り返る。
「勝った馬とは位置取りの差でしょう。道中はスムーズさも欠いていたし、その割には0秒1差までよく追い上げた。もったいないレースだった」
小回り特有のゴチャつく展開。後方からの競馬を余儀なくされ、レコード勝ちした福島民報杯のような好位からの競馬ができなかった。
ただ、あの一戦で地力強化は示した。そして、この中間はさらにデキが上向いている。
「前走もいいなと思ったんだけど、使うたびにどんどん良化している。これまでは体調の変化があまりないタイプだったのに、ここにきて充実してきているのが分かる」
その要因に挙げたのが坂路調教の導入だ。浜田厩舎に在籍していたころはフラットなコース中心の調教だったが、村山厩舎にきてからは坂路が中心になった。トモを使って最後まで手を抜けない馬場で鍛えられたことが、刺激になり、レースではゴール前の粘りにつながっている。
「背負い慣れたハンデに落ち着いたし、コース実績もある。今度こそだね」
ハンデは56キロ、小倉は<1101>。真夏の飛躍へ条件は整った。
【最終追いVTR】坂路で追われ、800メートル54秒5→40秒2→13秒2。チップを後方に高く舞い上がらせながら、回転の速いフットワークで登坂していく。終い追われて反応も上々で、引き続き好調をキープしている。