海外ニュースサイト『METRO』は、2019年5月14日、中国のゲームセンターが景品に本物の犬を使っていると報じた。同記事によると、中国のとあるゲームセンターがUFOキャッチャーの機械の中に、ぬいぐるみに交ぜて20センチほどの大きさの子犬を入れ、通常のUFOキャッチャーのように客がクレーンで釣り上げるようにしていたそうだ。同記事は実際に子犬が入れられたUFOキャッチャーの動画も公開しているが、動画には1匹ずつ小さなバケツのような容器に入れられ、おびえるようにして待機している15匹ほどの子犬たちの姿が映っている。動画の最後では客が子犬をクレーンで釣り上げ、UFOキャッチャーの下部にある景品取り出し口から取り出している。子犬は怖がって震えているように見える。
同記事によると、UFOキャッチャーの前には「僕たちを家に連れて行って」と書かれたボードが飾られていたそうだ。動画を見た動物活動家たちが中国当局に調査を依頼しているという。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「子犬がかわいそう。最低で見ていられない」「ゲームセンター側は動物が生き物だということを知らないのか」「こんな光景見たくなかった」などと批判が相次いだ。
一部で、「ゲームセンター側の単なる売名行為では?」という声もあるが、中国では過去に猫がUFOキャッチャーに入れられている映像が拡散されたこともあり、「中国人は動物に対して野蛮すぎる行動が昔から多い」「中国に行ったとき、中国人が犬を叩いていて驚いた。中国には動物を虐待する文化があるのか」などと、中国での動物の扱い方を疑問視する声も多かった。
中国には、他にも動物をモノのように扱った事例がある。
2018年11月、中国・四川(しせん)省のショッピングモールが、本物の馬を使ったメリーゴーランドを作り、批判を浴びたと中国メディア『shanghaiist』が報じた。同記事によるとメリーゴーランドは、くつわをはめられた本物の馬がメリーゴーランドそっくりの狭い装置の中で、音楽に合わせて1日4時間、延々と走らされる仕組みだという。本物の馬を使ったメリーゴーランドがあることが世界に拡散されると「馬が苦しそう。一刻も早くやめるべき」「ここは馬がいるべき場所ではない」「これを作った神経を疑う」といった批判がショッピングモール側に寄せられたそうだ。しかし同記事のインタビューに対し、ショッピングモール側は、「馬の健康は管理しているから何の問題もない」と語っていた。
動物をまるでモノのように扱う行為は恥ずべきものだ。日本にも生きたカニや魚を景品にしたUFOキャッチャーがあり楽しんでいる人もいるようだが、動物愛護という観点から考えてみる必要はあるだろう。