“開幕戦”となった4日、日本ハム戦で13号2ランを放った山田は、この1本を含め、期間中に8本の本塁打を記録。ソト(DeNA)、松田宣浩(ソフトバンク)、グラシアル(ソフトバンク)といった強打者たちを1本差で抑え、今年の交流戦本塁打王に輝いた。
過去にシーズン本塁打王(38本/2015年)を獲得していることを考えると、特に気になる点はないように見える今回の山田。しかし、ファンの間からは「この8本全部空砲じゃないか」という声がチラホラと挙がっている。
交流戦期間中に、山田が本塁打を放ったのは、1本目を記録した4日の日本ハム戦から、8本目を記録した24日のオリックス戦までの7試合。ただ、それぞれの試合におけるチームの勝敗を見ると、その全てで敗戦を喫している。
4日 日本ハム戦 13号2ラン 6−7x
8日 オリックス戦 14号2ラン 4−5
11日 楽天戦 15号ソロ 1−3
16日 西武戦 16号ソロ 6−10
20日 ソフトバンク戦 17号2ラン 18号ソロ 5−6
21日 ロッテ戦 19号ソロ 3−12
24日 オリックス戦 20号ソロ 2−6
以上を見ても分かる通り、山田が本塁打を打った7試合で、チームはまさかの7連敗。本来なら勝利を大きく手繰り寄せるはずの一発が、逆にそれを遠ざけるという皮肉な結果に終わっている。
前述した8本を見ると、ビハインド時が6本と大半を占めており、同点時、リード時はそれぞれ1本ずつに留まっている。全ての本塁打が2ラン以下ということも含め、この辺りが勝利と結びつかない要因となっているのかもしれない。
ただ、自身のアーチがチームとかみ合わないのは交流戦に限った話ではない。山田は交流戦を含めて、ここまで18試合で本塁打をマークしているが、これらの試合における勝敗は「3勝14敗1分・勝率.176」。偶然の一言では、到底片づけられないような奇妙な状況が長らく続いているのだ。
不敗神話ではなく、“不勝神話”が形成されつつある山田の本塁打。セ・リーグ最下位からの巻き返しを狙うチームにとって、なんとも不吉なジンクスであることは間違いないだろう。
文 / 柴田雅人