台湾は先発江辰晏(統一ライオンズ)が3回無失点と結果を残すと、2番手の施子謙(統一)も2回無失点と好投。4番・山川穂高(埼玉西武)をはじめとした日本の強力打線に、5回裏まで1本のヒットも打たせなかった。
一方の打線は、両軍「0‐0」で迎えた5回表に繋がりを見せる。この回台湾は朱育賢(ラミゴモンキーズ)、王威晨(中信ブラザーズ)のヒットなどで2死1、3塁のチャンスを作ると、郭永維(ラミゴ)、陳傑憲(統一)が連続タイムリー。さらに、続く藍寅倫(ラミゴ)にも3ランが飛び出し、日本3番手の岩貞祐太(阪神)から5点を奪うことに成功した。
その後、8回表に陳俊秀(ラミゴ)のソロで1点を加えた台湾は、8回裏まで日本の攻撃をシャットアウト。最終回に一挙5点の猛攻を浴びたものの、同点、逆転までは許さず見事に「6‐5」で侍ジャパンを撃破した。
同じアジアのトップチームである日本を相手に、勇敢な戦いぶりを見せた台湾。今回の試合を受けたネット上には「思ってた以上に台湾が強かった」、「台湾との試合もっと見たいなあ」、「試合後の礼儀正しさにも好感が持てる」といった称賛の声が挙がっている。
台湾が日本から勝利を挙げたのは、昨年2月28日の「2017SAMURAI JAPAN壮行試合」以来、今回が2回目。ただ、外国人選手を含む台湾リーグ(CPBL)選抜チームだった前回とは異なり、今回は全て台湾の選手でチームが構成されている。このことを考えると、今回の勝利は台湾の今後にとって非常に大きな収穫となったことだろう。
なお、複数の台湾メディアによると、試合前にはソフトバンクの王貞治会長から台湾チームに陣中見舞いが送られていたとのこと。“世界の王”の粋な激励もまた、今回の結果を呼ぶ一要因となったのかもしれない。
文 / 柴田雅人