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『週刊少年ジャンプ』で『銀魂』が下書き同然の画に

 8日に発売された『週刊少年ジャンプ』35・36合併号で空知英秋の人気連載漫画『銀魂』の画が下書き同然の状態で掲載されていると話題になっている。現在、連載と休載を繰り返している冨樫義博の『HUNTER×HUNTER』も同じようなクオリティで掲載されたことがあり、冨樫化の声もある。

 『銀魂』とは、黒船ならぬ天人(宇宙人)が来襲し、突如価値観が変わってしまった町、江戸を舞台としたSF時代劇である。4月4日からテレビアニメの第2期も放送中である。この号に掲載された第三百六十四訓「女はベジータ好き 男はピッコロ好き」は主人公の坂田銀時らがホストに扮して死神と噂されるマダム八神を迎える内容である。
 泥酔したレギュラー陣によるカオス状態の中で他作品をネタにしたギャグが展開される。抱腹絶倒のギャグを続けながら、ほろりとする人情話で着地させる『銀魂』らしい筋運びは健在である。しかし、魅力的な女性キャラの酔態など数多くのキャラが入り乱れる展開で雑な絵柄は読み難くミソを付けてしまった。

 この号の『ジャンプ』は宝を前にしたルフィー(『ONE PIECE』)、ナルト(『NARUTO-ナルト-』)、トリコ(『トリコ』)が描かれているが、この表紙は折り返しに続いており、折り返しには他の掲載漫画の主人公も登場する。他の主人公が少年マンガの主人公らしく爽やかな笑顔を見せる中で、『銀魂』坂田銀時だけが腹黒い表情で存在感を放っていた。それだけに本編の画の完成度の低さへの失望感が深まる。
 既に『HUNTER×HUNTER』で下書き同然の画で掲載された事実があるために、その時ほどのインパクトはない。一方で冨樫義博は「冨樫病」なる不名誉な言葉が生まれるほど突き抜けた存在であった。冨樫以外の作品でも下書き同然の画が掲載されるならば、特別が特別でなくなってしまうインパクトがある。人気漫画家ならば下書き同然でも許される、単行本で書き直せばよいということになれば『週刊少年ジャンプ』のクオリティが問われる。
 もともと空知英秋は単行本のコラムで話題にするほど遅筆の漫画家である。この号ほどではないとしても過去にもラフな画で掲載されたこともある。ストーリーも含めて単行本収録時の加筆修正が多い作家でもある。
 今回の下書き同然の画も時間的に間に合わなかったためと見られているが、ファンの声は意外にも温かい。空知は単行本の中で『銀魂』の単行本発行頻度が早いと述べている。また、『ジャンプ』ではセンターカラーも多い。そのためにファンは「ジャンプ編集部が空知先生を働かせすぎ」と同情的である。

(林田力)

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