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【コラム】サル人間とネコ人間

 人間はサルから進化したとされている。「ニワトリが先かタマゴが先か」というけれど、原始の海から自然発生するのは単細胞生物くらいで、もちろんタマゴが先でなければ変だ。だから最初の猿人の親は、本物のサルだったことだろう。そして彼の遺伝子を受け継いだ類人猿が、やがて人類になった。

 その流れそれ自体に疑問があるわけではない。けれども先日「二足歩行するゴリラ」の映像を見て、不審に思ったのだ。「確かに両足だけで歩いてはいるものの、やはりゴリラっぽい歩き方。これならクマの方がより人間に近い」と考えてみて、クマから進化した人間はいないものかと。

 クマの背格好や動作は人間に似通っていて、中に誰か入ってるんじゃないかと思うことがある。それに比べ、チンパンジーやゴリラがヒトに近いかというと、クマに軍配が上がる気がしてならない。実際にクマ・サル・ヒトは哺乳類の真獣下綱(しんじゅうかこう)までは同系統である。

 しかしその先で、サルやヒトはサル目(霊長目)で、クマはネコ目(食肉目)に分かれている。ネコ目には、ライオンやチーターなどネコの仲間として知られる動物ばかりではなく、イヌやキツネやタヌキに、アライグマやパンダなど多くの種が属している。二足歩行で有名なレッサーパンダの風太くんも同じ。彼らの原種がネコということになるわけだが、ヒトとネコの関係は長い。

 先日ムバラク政権を崩壊させた民衆革命で話題のエジプトといえば、ピラミッドとスフィンクスが有名である。ピラミッドは王の墓で、その守り神とされているスフィンクスは、王の顔とネコ科の身体を持っている。それだけヒトとネコの関係が深かったということのようにも思えるが、果たしてこれは本当に、単なる空想の生物なのだろうか?

 ヒトとヒトならざるものが性交渉を持つ「異類婚姻譚(いるいこんいんたん)」と呼ばれる伝承が、世界各地にある。その相手には、神や悪魔や妖怪だけではなく、動物もいる。「神の使い」とされるヘビや、「八犬伝」で知られるイヌに、「おしら様」と呼ばれるウマなどなど、様々なケースがある。

 最初に触れた「ニワトリが先かタマゴが先か」という話からすれば、今ほど生物種が分化されてなかった進化の過程において、その後は全く違う方向に進んだ生物同士であろうとも、相互生殖を可能としていた時期があるはずだ。そうでなければ、生物種が増えていかない。だから人類史以前の出来事と考えれば、異類婚も決して非科学的な話ではないだろう。

 そしてもしその進化の過程において、本当にスフィンクスが実在していたのだとすれば、それはネコから進化したネコ人間なのではないか。良く「ネコ派かイヌ派か?」という質問があるけれど、イヌもネコ目に属する。一方「ネコ派かサル派か?」という質問は、聞いたことがない。

 サルよりネコにシンパシーを覚える僕自身、ネコ人間の末裔なのではないかと思えてならないのである。ゴリラやチンパンジーなどのサル目と、イヌやクマを含むネコ目。皆さんはどっちに近いと感じているだろうか?(工藤伸一)

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