5日の世界前哨戦でウンベルト・プールに5回KO勝ちした興毅は一夜明け会見に臨み、2階級制覇に向けて「(内藤戦の)イメージはもう出来上がっている。ビデオを見るのはあと1回くらいやな」とすでに研究済み。試合のダメージもほとんど残っておらず、8日からは奄美大島での合宿をスタートさせる予定だ。
2年ぶりのタイトル奪取に向けてぬかりはないが、その前にどうしてもやらなければならないことがある。2007年10月の次男・大毅の世界戦以来、無期限のライセンス停止となっている史郎氏のセコンド復帰だ。
「この2年間オレひとりで戦ってきた。セコンドのチームワークも必要やし、1分間のインターバルでのアドバイスも聞ける」(興毅)と訴えた。亀田ジムも興毅の意見をふまえ、JBCに復帰を要望する方針だという。
史郎氏のセコンド復帰の重要性を説く興毅だが、狙いはそれだけではない。「亀田トレインの復活や。あれはオレの原点やし、デビューした時からずっとやってきてた。もちろん復活させる」と本紙だけに明かした。
亀田トレインといえば、史郎氏を先頭に3兄弟が肩に手をかけて1列になって入場してくる亀田流パフォーマンスの原点。それをいま一度復活させるというのだ。史郎氏も以前から「亀田トレインを復活させる」と宣言しているだけに問題はない。
史郎氏によれば「興毅は本調子やない。いまのままやったら内藤に勝てない」という。どうやら2階級制覇を狙う興毅に必要なのは、技術や精神力ではなく、父親の“神の声”なのかもしれない。