「1つ目が、戦後の暗い時代背景が物語的に続くということです。そのためにアニメを入れたりして中和させていますが、どうしても陰鬱なシーンを描かざるを得ないということです。最初はそこまで熱狂的に受け入れられないのではないでしょうか」(芸能ライター)
さらに視聴者には、1つ不安材料があるという。それが、なつを優しく見守る、富士子役の松嶋菜々子だ。
「1話目では、なつを引き取ってきた剛男(藤木直人)に、富士子の父・泰樹(草刈正雄)が『赤の他人』『可哀想だからって犬猫みたいに拾ってくるやつがあるか』と食って掛かるシーンがあります。それでも富士子は、間に入り、『1人ぐらい増えたって大丈夫』と、なつを育てていく覚悟を決めています」(同)
だが、この「人のよさ」がクセものなのだという。
「松嶋は以前放送された『火垂るの墓』(日本テレビ系)の実写化ドラマで、戦争孤児の少年少女を引き取る叔母・久子を演じました。当初は好意的に接していましたが、いつしか我が子にばかり食料を与えるようになり、冷遇するようになっていったのです。『火垂るの墓』を見ていた視聴者は、この“トラウマ”があるため、SNS上では『逆に怖い』『いつ意地悪してくるんだろうか』『この後もずっと優しいのか』などと、鬼母に豹変してしまうのを恐れているユーザーもいるほどです」(同)
平成、そして新元号・令和と時代をまたぐことになる『なつぞら』。朝ドラ100作目にふさわしい良作を期待したい。