そこで気になるのが、香川真司、乾貴士(C大阪)、金崎夢生(大分)の「新成人トリオ」だ。
実績面で他の追随を許さないのが、平成元年生まれの香川。昨年5月のコートジボワール戦で代表デビュー。すでに6試合に出場し1得点。小柄ながら運動量と速さがあり、鋭いドリブル突破から点も取れる攻撃的MFだ。
同じ平成生まれの金崎はダイナミックさと創造性がウリ。プロ2年目の昨季には、大分のナビスコ杯優勝の原動力となり、ニューヒーロー賞も獲得した。滝川第二高時代の恩師・黒田和生氏(現神戸育成ディレクター)が「普通に勉強していたら、かなりいい大学に行けた」と言う頭脳明晰ぶりも知性派の岡田監督の琴線に触れた。昨夏にいったん代表候補入りしたが落選。今度こそチャンスをつかもうと必死だ。
乾は2人と同学年だが、唯一の昭和生まれ。06年正月の高校選手権で、優勝した野洲高(滋賀)の2年生エースとして名を馳せた。華麗なボール扱いと意外性のあるプレーで見る者を驚かせる。高校卒業後は横浜へ進んだが出番がなく、2年目の昨季途中にC大阪にレンタル移籍。そこで才能を開花させ、初めて代表候補に選ばれた。
3人に共通するのは「際立った技術」「労を惜しまない走り」「得点力」。現代サッカーに必須な要素を備えているだけに期待大。イエメン戦では香川と金崎の先発がほぼ確定。乾も途中出場が有力視される。
中村俊輔ら「アラサー世代」に依存しがちな岡田ジャパンだが、新勢力の台頭に注目だ。