「日本人ナンバー2」。日本GPを2度制しながらも、世界GPではベスト8の壁を超えられず、常に魔裟斗の格下扱いされてきた。魔裟斗超えを掲げ、対戦要求もしてきた男が、遂に魔裟斗への挑戦権戦をつかんだ。
過去2度敗れているブアカーオとの準々決勝。1、2Rともブアカーオの手数と的確な攻撃に圧倒され、ポイントでは確実に負けていた。それでも3R、強烈なローキックを浴びせ、ブアカーオの動きを止めると、起死回生の右フックをさく裂。返しの左フックもクリーンヒットさせ、2度の世界王者に輝いている難敵をマットに沈めた。
「作戦通り。運も良かった。ようやくK-1ルールに慣れてきたんだと思う」。試合後は笑顔を弾けさせた。今年に入って着手したウエートトレーニングの効果もあった。「生まれて初めてやった」という練習でパワーは確実にアップし「一発一発の圧力が強くなった」と言うように、相手の意識を刈り取る破壊力を身に付けた。
ようやくつかんだ魔裟斗との一戦に向け「真っ向勝負する」と力強く宣言。直接対決で勝利し、「ナンバー2」の不名誉なレッテルをはがした上で狙うは世界の頂点だ。