仕組みは簡単だ。後頭部のソーラーパネルが太陽光を吸収して自家発電。電力は帽子内に這わせた電気コードを通じ、つばに組み込まれたモーターファンに供給される。斜め45度に角度調整された4枚のファンが高速回転し、涼風が顔に向けて送り出されるというわけ。説明書には「暑ければ暑いほど発電します。猛暑が苦手な人も楽しく過ごせるはず」とある。太陽が輝くかぎり、ファンはアホウのようにぐるぐる回り続けるのだ。
買った。税込み1980円。これで猛暑を乗り切れるのなら安い買い物ではないか。極貧生活にチャレンジ中の後輩A記者にプレゼントしよう。店員は「かぶりながら走るとファンが自然風の影響を受けてしまいます。遊園地などの行列待ちで最も力を発揮するでしょう」とアドバイス。夏場のゴルフ場は暑いから…と中年男性4人組が1個ずつ購入したケースもあったそうだ。
さて編集局。帽子を見るなり「ファッションのジャンルが僕とは若干違いますが…」と遠慮するA記者だったが、案ずるより産むがやすしとはこのこと。自分から太陽エネルギーを求め、炎天下に飛び出していった。
30分後。汗だくになったA記者が戻ってきた。「コレ、かなり高速回転しますけど、眉間に微風を感じるだけですよ。しかもソーラーパネルに太陽光がどんどん蓄積されて後頭部が熱い!」
なるほど。しかし、A記者よ。だからといって帽子の持つエコな反骨精神が失われたわけではない。それに随分楽しんだようじゃないか。