ただし、そういった決まりごとは、あくまでも建前の理想論であることも否めない。男と女がある程度の時間を共有すれば、恋愛沙汰のひとつも起こらない方が不自然で、実際に店員とキャバ嬢が付き合っているというケースは、それほど珍しくはない。「まったくないとは言えないし、幹部などが女のコに対して(出勤などをコントロールするために) 色恋営業をかけることもあります。ただ、それが目的で面接に来るようなのはすぐにわかるし、雇っても長続きしない」(同)。もしかしたらオイシイことがあるかもと、邪まな気持ちでキャバクラで働いてみても、過酷な現実を味わって辞めてしまうとのこと。漫画やドラマで見られるような素敵な話は、万に一つの可能性でしかないわけだ。
仕事を辞めてまでキャバクラに転職するとなると、ハードルは高いが、そんな夜の世界をちょっとだけ体験することができるバイトは存在する。全国のどの歓楽地でも需要のある、送迎ドライバーだ。基本的に深夜の仕事なので、サラリーマンが副業でやることも可能。夕刊紙の三行広告で毎日のように募集されているため、求人探しも比較的簡単。車が持ち込みになるケースが多いため、マイカーの所持は必須条件になりがちだが、車さえあればすぐに始められるので、キャバ嬢との接点が持てる仕事の中では、非常にとっつきやすいアルバイトだ。
もちろん、普通の男性従業員と同様かそれ以上に、女のコとのプライベートな関わりが禁止されているのが普通なので、そうそうオイシイ話を夢見られる仕事ではない。また頻繁に募集広告が出ているということは、長く続けにくい仕事であることの証明でもある。労働時間帯や総合的な拘束時間に対して、収入は不安定であることはもちろん、真面目に仕事をしている分にはなんの問題もないが、少しでも問題があればすぐにクビになってしまうためだ。
送迎のバイトですら、決して楽な仕事とは言えないので、キャバクラ関係で働いてみようと声を大にして勧めることはできないが、そんな仕事を体験してみれば、華やかなキャバ嬢たちと恋愛感情なしで接する男性従業員の気持ちを、少しは理解することができるかも。
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