本CM動画は北海道・東京・神奈川・愛知・大阪・福岡の六都市を舞台にその都市のご当地グルメを方言を使って紹介していくもの。出演者は肉感的なグラビアアイドルら計6名が出演しており、なかには胸を強調した薄着で「肉汁いっぱいでました」、「二人っきりになっちゃいましたね」と性的関係を匂わすようなセリフも登場していた。
また出演者たちは人気のグラビアアイドルということもあり「接待」、「出張デート」、「愛人」といったキーワードが連想され、不快に思った人からの苦情が多かったのが中止の原因だという。
「卑猥すぎて公開が中止になったCM」としては昨年2016年に鹿児島県志布志(しぶし)のうなぎPR動画「少女U」削除事件が有名である。
これは志布志市の名産であるうなぎをプールに住む謎の水着少女「うな子」として描き、うなぎが育つには綺麗な水が必要であることを訴えたCM動画だが、演出として『(私を)養って』と語りかけるシーンのほか手にローションを塗ったかのようなシーン、水着にフラフープといったアイドルビデオのような映像が差し込まれていた。
志布志市側は本動画について「『志布志は美しいところ』と思ってくだされば幸いです」と公式HPでコメントを出していたが、ウナギを少女に擬人化して飼育するというストーリーに対して、ネット上では「児童ポルノのように見える」、「女性差別的な内容ではないか?」、「性的すぎる」、「少女売春を助長させる」といった意見が志布志市に寄せられ、公開から数日で削除されたのである。皮肉にも今回のサントリーも志布志市のCM動画も、地方の名産の良さをアピールするということが共通しており比較されることも多いようだ。
そして、今回のCM打ち切り騒動に関して、一部では「業界人の悪ふざけ」、「モラルの低下」、「炎上商法の可能性」を指摘する声もある。
CM広告に携わるとある関係者は次のように語る。
「ここ最近、地方都市などをアピールするWeb向けCM動画は、以前に比べだいぶ過激になってきています。そもそも話題にならないと人目につかないという問題点もあるのですが、今回のサントリーや志布志市のCM動画は、若い女性が下ネタギリギリのセリフを言えば目立つだろう、という安易な姿勢が見え隠れする制作者側のモラル低下が巻き起こした騒動だと思います。発想のスタートが居酒屋会議っぽいし、なによりゴールが下手すぎた、というのが周囲の感想かと思います。放送用のCMじゃここまでやらないわけですから、彼らもわかってはいるはずなんですけどね」
また、今回のサントリーCMに出演した女優6名にはネット上で同情する声も多い。
公開当時、出演者のアイドル6名は大手であるサントリーのCMということもあり、自らのTwitterやインスタグラムなどでせっせと告知をしていた。しかし公開を打ち切られた7日以降は、抗議の意味なのか、やるせない思いからなのか、その騒動についてのファンのつぶやきなどをリツイートする者もいた。
「下品なCMに参加させられた挙句、公開中止はかわいそう」、「脚本家が書いてきた台本どおり演じるのが女優の役目なんだから、彼女たちは責められない」、「グラドルだけに悪いイメージはつかないと思うけど、CM制作側にとってはゲンが悪いタレントになっちゃったな」といったアイドルファンの同情の声も強い。
今、サントリーCMに関わった制作関係者たちは、方々に頭を下げている最中だと思われるが、出演グラドル6人にもきっちりと謝った方がいい。
※写真・出演タレントの吉川友Twitterより