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2016年ドラフト情報「即戦力か、将来性?」 スカウトの眼力が試される難解の年(福岡ソフトバンク編)

 ペナントレースの優勝は逃したが、戦力の層は厚い。選手のレベルも高い。2014年1位の松本裕樹(盛岡大付高)は今季一軍マウンドを踏み、15年1位の高橋純平(県岐阜商)もファームで7試合に登板した(2勝1敗)。順調な若手の成長に加え、武田翔太、中田賢一、バンデンハーク、東浜巨、千賀滉大、和田毅と先発スタッフも揃っている。そう考えると、今年のドラフトも『次世代』を意識した指名になるだろう。しかし、あら探しをすれば、2つの弱点を補う必要もある。一つは左投手が不足していること。二つ目はレギュラーを張る野手陣が「ベテランの域」に達したことだ。
 次世代、左投手不足。このキーワードから浮上してくる1位指名候補は、寺島成輝(18=履正社/左投左打)、高橋昂也(18=花咲徳栄/左投左打)、堀瑞輝(18=広島新庄高/左投左打)、古谷優人(17=江陵高/左投左打)といった高校生左腕だ。

 おそらく、寺島か、高橋で1位入札するものと思われる。あくまでも10月上旬での情報だが、1位入札の可能性がある高校生左腕は寺島と高橋。仮に寺島で入札し、二度目の入札となった場合、高橋も消えているだろう。『外れ1位』には大学生、社会人を加えた左腕投手も加わると思われる。まず大学生だが、ソフトバンクのスカウトが熱心に見ていた大学生左腕というと、笠原祥太郎(21=新潟医療福祉大/左投左打)だ。山本省吾スカウトがとくに熱心で、「タフで三振が取れる」「左の先発候補として…」と、視察の度に報道陣にそうリップサービスしていた。但し、笠原は4年秋リーグ戦で調子を落としている。今さら評価は変わらないと思うが、大阪ガス・土肥星也(21=左投左打)、ヤマハ・池田駿(24=左投左打)に対する「最終評価書と見比べてから」になるのではないだろうか。土肥、池田は社会人大会で救援としての実績も持つ。ソフトバンクの主な左のリリーバーは森福充彦、飯田優也。先発と救援、工藤公康監督がどちらを優先するかで『外れ1位』が決まるだろう。
 また、地元福岡、九州出身のキーワードが加わるのなら、右投手ではあるが、山本由伸(18=都城高/右投右打)、濱地真澄(18=福岡大大濠高/右投右打)の指名も考えられる。間接情報だが、王貞治会長は工藤監督の育成手腕を高く評価しているという。「工藤監督に将来性豊かな高校生投手の教育を託す」の図式になるとすれば、濱地は魅力的だ。“玄人好みする投手フォーム”とも評されている。「脱力投法」で、ボールをリリースする瞬間にだけ力を加える。球速は140キロ台だが、手元で浮き上がるような伸びがあり、身長182センチと体格的にも恵まれている。山本も工藤監督好みと言えそうだ。一般論として、右投手は左足を踏み込んだときに「勢い」を得る。だが、山本の投球には「腰の回転」と「右足の蹴り」の力も加わる。下半身の使える投球フォームがすでにできている。工藤監督にしても、濱地、山本は「育ててみたい」と思える逸材だ。

 地元大学生投手だと、高良一輝(22=九州産業大/右投右打)がいる。3年秋から4年春までは故障に泣かされたが、縦軌道のスライダーは空振りが取れる。ストレートとほぼ同じ球速で軌道が変わる。即戦力というと、田中正義(22=創価大/右投右打)、佐々木千隼(22=桜美林大/右投右打)、山岡泰輔(21=東京ガス/右投左打)ばかりが伝えられているが、高良も彼らに勝るとも劣らない力は持っている。3年秋から4年春の大事な時期を故障で投げていなかったせいもあるが、4年秋の復活マウンドには11球団スカウトが大挙し、ソフトバンク以外にも複数体制で視察した球団があった。故障個所とは、右肩。あとは、各スカウトが高良の回復具合をどう判断したか、だ。
 秀岳館高の捕手・九鬼隆平(18=右投右打)も他球団に流出させたくない逸材。ファームには次世代を担える正捕手候補もいるが、打撃優先で獲るかもしれない。内野手では石井一成(22=早大/右投左打)、大山悠輔(21=白鴎大/右投右打)、外野手は佐藤拓也(22=立教大/右投左打)、森山恵佑(22=専修大/左投左打)が候補となる。野手の指名リストは他球団と変わらないだけに、投手優先の指名となればお目当ての選手は下位でも指名できないだろう。

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