気になるのは独立の日付だろう。自身の誕生日である2月4日が近いとはいえ、なぜ中途半端な1月末の発表になったのか。これにはある人物が関係しているといわれる。
「2012年に亡くなった川勝正幸さんですね。映画や音楽といったサブカルチャー(彼自身の言葉でいえばポップカルチャー)を得意とする編集者、ライターでした。はじめは雑誌の取材で出会い、その後構成作家として小泉今日子のラジオを担当しました。そして、雑誌連載やイベント企画なども手がけていき、さらに、スチャダラパー、ASA-CAHANG、東京スカパラダイスオーケストラ、いとうせいこう、高城剛、岡崎京子といった人たちと小泉を次々と引き合わせていきます。なんでも吸収することから『パンパース小泉』と名付けたことでも知られますね」(放送作家)
川勝は2012年1月31日、55歳で自宅火災で亡くなっている。小泉の独立は彼の命日に合わせたと見ることもできるだろう。
「小泉は、川勝さんの死後に文庫化された『ポップ中毒者の手記(約10年分)』に寄せたインタビューで、“それまで点と点でしかなかったものが太い線としてつながることもできた”“川勝さんとの出会いは20歳を過ぎてやってきた遅れてきた青春だった”と回想しています。小泉の脱アイドルのきっかけとなり、女優に文筆業にと幅広く活躍する現在の彼女の姿を作り上げたのは、川勝さんの影響といっても良いでしょう」(前出・同)
彼女の新たな旅立ちを川勝さんも見守っていることだろう。