CLOSE
トップ > 社会 > VWとの裁判決着間近もハゲタカファンドに狙われたスズキの憂欝

VWとの裁判決着間近もハゲタカファンドに狙われたスズキの憂欝

 自動車の世界総販売台数2014年暦年(1月〜12月)で初のナンバーワンとなった独フォルクスワーゲン(VW)と、軽自動車最大手のスズキとの資本提携解消裁判は、いよいよ仲裁判断が近づきつつある。そんな中、米投資ファンドのサード・ポイントが出資者に対し、スズキの株式を取得したと書簡で明かしたことに市場筋が色めき立っている。サード・ポイントはソニーやファナックなどの大株主として登場し、株主還元策などをめぐって会社側に揺さぶりをかけた“強面ファンド”として知られ、狙い撃ちされた企業には憂鬱な存在だ。
 「37年間にわたって経営トップの座にあった創業一族の鈴木修会長兼社長が先ごろ会長専任となり、後任に長男の鈴木俊宏副社長が就任した。早々に若葉マークの御曹司社長に対するけん制ともみられるのが株取得の話。現在は5%以上を取得した場合に義務付けられている財務局への大量保有報告書が提出されておらず、1%前後の保有比率のようだが、今後、一気に株を買いあさる可能性もあり、スズキにとっては厄介この上ない」(大手証券マン)

 ローブCEOは書簡の中でインド子会社マルチ・スズキがスズキの稼ぎ頭であり、今後とも高い成長が期待されているにもかかわらず「その価値がスズキ本体の株価に反映されていない」と指摘。過去のケースでは事業売却、自社株買いなど要求が明確だったが、なぜか今回は言及を控えている。自動車業界に詳しい市場関係者が苦笑する。
 「巧妙な仕掛けを施せば多少は上昇するでしょうが、そんな株価は長続きしない。百戦錬磨のツワモノが、そんなことを知らないわけがありません。むしろVW問題が決着すれば新たな提携先選びが本格化する。それをにらんでローブCEOがいち早くスズキにツバを付けたと見るべきでしょう」

 VWとの“離婚成立”をジッと見守っている様が実に不気味である。

社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ