全体的に赤みがかかった空間が広がっている。左上には黄色い雲のようなものが、右下には何やらグロテスクな物体が写っているのが確認できるだろうか。
このグロテスクな物体、よく見ると上部には尖がった角のようなものがあり、髪の毛のようなものが生えている。さらに中央には黒目のようなものが…これは顔であろうか?
この不気味な写真は山口敏太郎が四国在住の関係者から譲り受けたものである。撮影者曰く「携帯電話で川を撮ろうとしたところ、撮った覚えのない写真が紛れ込んでいた」とのことである。
オカルト研究家・作家の山口敏太郎はこのグロテスクな物体を妖怪「川赤子」ではないか? と推理している。
川赤子とは川や沼、池などに出没するとされている妖怪である。
川赤子は「おぎゃー!」と赤ん坊の泣き声を出して人をおびき寄せ、人が近づくと別の場所からまた、「おぎゃー!」と叫ぶ。「どこから赤子の声がしているのだろう?」と助けようとした人が右往左往しているうちに人間を川べりへとおびき寄せ、足をすくいおぼれさせるというハタ迷惑な妖怪として有名だ。
水辺に生息しているため、河童の一種ともされているが、水辺で命を落とした赤ちゃんの幽霊とする説もある。
また、赤子とされているものの資料によっては3〜5歳、10歳の幼児として描かれているものもある。
江戸時代の妖怪画家の鳥山石燕が残している画には川赤子はまるで鬼のような形相をしており、非常な悲しげな表情を浮かべている。川赤子の川に落とすという行為がただのイタズラでは無く、悲しい過去を持っていたという表現であろうか…?
山口敏太郎事務所はこの川赤子らしき物体が写った写真を貴重な資料として今も保存している。
(山口敏太郎事務所)