これは日本学生野球協会が26日に開いた審査室会議で発表したもの。江戸川高校の監督がTwitter上で女子高生とやりとりをしたうえ、卑猥な画像を送りつけていたという。監督は3月14日に遡り2年間の謹慎処分を受けた。
野球部の指導者という立場に置かれていながら、SNSを利用し女子高生とやりとりをしたうえ、卑猥な画像を送る。その立場を利用し女子高生との恋愛関係を目的としていた可能性が高いだけに、「最低」「性犯罪予備軍と言わざるを得ない」「指導者としては不適格なのでは」と、ネットユーザーからも怒りの声が上がった。
また、佐賀県立鳥栖商業高校野球部の監督が、先月の練習中ミスをした1年生部員に対し、「よく考えてプレーしろ。障害者じゃないんだから」などと声を掛けていたことが判明。声を掛けられた部員とは別の部員の保護者が学校に指摘が入り、事態が発覚したという。
同協会は12月13日まで、鳥栖商業高校の監督を謹慎処分とすることを発表。この処分については、「こんな発言を告げ口するような部員とその保護者に驚く」「我々の時代では当たり前に言われていた」「この程度で謹慎では監督が務まらない」同情的な声が上がる。一方で、「今の時代ではダメな発言」「障害者がいる家庭は不快に思う。謹慎した方がいい」という批判もあった。
この日の同協会の発表では、この2校以外にも、千葉県の私立我孫子二階堂高校のコーチ、熊本市立千原台高校のコーチ、兵庫県立神戸北高校の監督、宮城県の私立聖和学園高校の監督らが、それぞれ暴力や暴言で謹慎処分を受けた。
「高校野球の指導は年々難しくなっています。高校生と言っても子供ですから、言うことを聞かせるためには、ある程度厳しい言葉が必要になります。また、明らかに規律違反の場合は、体罰も必要だと私は思います。
しかし、指導のための暴力も現在は一切禁止。厳しい言葉もダメ。そして、父母もやたらと采配や起用方法についてクレームを付けて来ます。監督を『やりたくない』と考える野球関係者は増えていますよ。
そんな背景から、Twitterで卑猥画像を送りつけてしまうような志と質の低い指導者が生まれてしまうのでしょう。この流れは高野連や野球協会も止めることはできません。不祥事が出ては処分のいたちごっこしか出来ないと思います。そういうものだと思うしかないのでは」(高校野球関係者)
学生野球の現場もかなり様変わりし、指導者も苦しい思いをしているようだ。
文 櫻井哲夫