アメリカ・ジョージア州の高校で、化学の授業中に、15歳の男子生徒が大怪我を負ったことが明らかになったと、海外ニュースサイト『CBS News』と『METRO』が11月7日に報じた。報道によると、8月6日、36歳の女性教師が化学の授業で「水とエタノールに浸した紙幣に火をつけても燃えない」という実験をしたという。
教師は生徒の前に立ち実験をしたが、紙幣は炎を出して燃え、教師の目の前の席に座っていた男子生徒が顔と首と胴体に大やけどを負った。教師は今年、他のクラスでも過去に2回、同様の実験をしており、他のクラスで実験をした際は紙幣が燃えることはなかったという。
教師は「紙幣に火をつけた時、少しだけ燃えたので、水をかけて火を消そうとしたが、間違えて近くにあったエタノールをかけてしまったようだ」と説明しているという。教師は10月21日から学校を休んでいる。男子生徒は現在も手に痛みがあり、教師に損害賠償を請求するつもりだそうだ。『METRO』はやけどを負った男子生徒の写真を公開しているが、顔や手、首がひどくただれ、ケロイド状になっている。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「まだ幼い少年にとってなんという悲劇なんだ」「教師は停職ではなく解雇されるべき。もっと安全確認を行うべきだった」「少年は教師だけではなく、学校も訴えるべき」などの声が挙がっていた。
実験の授業で怪我を負った事件は海外だけではなく、日本でもあるようだ。
2016年5月、静岡県の中学校で、理科の実験中に当時13歳の中学2年生の男子生徒がやけどを負ったと『産経ニュース』(産経新聞社)が報じた。同記事によると、この日の授業では、メタノールが入った容器に洗剤や金属化合物を入れて、炎の色が変わる炎色反応を見る実験をしていたという。
男子生徒はメタノールが入った容器にアルコールを補充しようと継ぎ足した際、アルコールが燃えて周囲に飛び散り、やけどを負った。男子生徒がやけどを負った10分後に50代の男性教師が119番をし、男子生徒は病院に運ばれた。男子生徒は体の表面の10〜20%をやけどする大怪我を負ったが命に別条はない。男性教師の処分について、同記事では明かされていない。
火を使用する実験の場合、少なからずリスクはあるはずだ。事故が起きてしまうと、生徒のショックは計り知れない。火を使う以外にも、化学の実験では、十分な安全確認が必要だろう。
記事内の引用について
Chemistry teacher "froze in pure shock" after botched experiment set teen on fire(CBS News』)より
https://www.cbsnews.com/news/chemistry-teacher-froze-in-pure-shock-when-student-in-front-row-caught-fire-redan-high-school/
Chemistry teacher set boy, 15, on fire after experiment went terribly wrong(METRO)より
https://metro.co.uk/2019/11/07/chemistry-teacher-set-boy-15-fire-experiment-went-terribly-wrong-11062761/
理科の実験中に中2生徒がやけど負い重傷 浜松の市立中学(産経ニュース)より
https://www.sankei.com/affairs/news/160513/afr1605130001-n1.html