昨年から2連戦になった5月の福岡大会だが、90年代は福岡ドーム(ヤフオクドーム)で開催していた大会なだけに、今年も成功を収めたいところだ。
初日のメインには、MSG大会でIWGPジュニアヘビー級王座を初戴冠したドラゴン・リーに前王者の石森太二が挑戦するリターンマッチが大抜擢された。リーはMSG大会で、石森の持つIWGPジュニアヘビー王座に挑戦。バンディードを交えた3WAYマッチは目まぐるしい展開の中、石森をリング外に排除したリーが、バンディードをデスヌカドーラで仕留めて王座を獲得している。
直接負けていないのに王座から陥落し、納得がいかない石森はリターンマッチをアピール。これが認められた形となった。13日にはジュニアヘビーの祭典『ベスト・オブ・スーパーJr.』(BOSJ)が開幕し、決勝戦は6.5両国国技館大会で開催される。大会場のメインでもジュニアの闘いが会場を魅了することだろう。現在長期欠場中で、昨年のBOSJ覇者である高橋ヒロムの復帰が待たれる中、ライバルのリー、昨年のBOSJの決勝で闘った石森はともに「ヒロムが帰ってきた時はIWGPジュニアのベルトを持っていたい」という強い思いを抱く。MSG大会を超える激戦に期待したい。
セミファイナルではROH世界TV王座をかけて、ジェフ・コブがタイチの挑戦を受ける。コブはNEVER無差別級王者のウィル・オスプレイとのダブルタイトルマッチに勝ち、見事二冠王に輝いた。
タイチは3.24長岡でタッグマッチながらオスプレイからピンフォールを奪うと、NEVER挑戦をアピール。その際、オスプレイが「ジェフ・コブとやってから」と発言していたことに不満を抱いていた。だが、新日本サイドは王座が移動した後ではあるが、タイチのアピールを受けてコブとのタイトル戦を組んだ。
タイチは自身2度目のNEVER戴冠に向けて、今回も鈴木軍の介入も辞さない無法戦法を仕掛けてくるのは必至。コブはオスプレイ戦同様、パワーで振り切れるか?マイケル・エルガンが退団しただけに、コブにとっては新日本マットでのポジションを確立するチャンスでもある。
初日から博多っ子の心をつかむか?
取材・文・写真 / どら増田