浦和が日本サッカー界の歴史に新たな1ページを刻んだ。この日は3位決定戦でアフリカ王者エトワール・サヘル(チュニジア)と激突。2失点を喫しながらも、助っ人ワシントンの2ゴールでPK戦に持ち込み、なんとか4-2で競り勝った。
日本のクラブはおろかアジア初となる世界3位に輝いた浦和。今シリーズの有終の美を飾ったが、クラブの未来は決して明るいものとは言えない。今大会3ゴールでチームを世界3位に導いたワシントンがこの大会を最後にフルミネンセ(ブラジル)に移籍。さらには退団が決まっているネネや長谷部誠の伊シエナ移籍も浮上しているだけに、大きな戦力ダウンが見込まれるからだ。
決してウカウカしていられない台所事情だが、もちろん今オフに大型補強する意向。新潟との契約が切れるエジミウソンや大分の梅崎司の獲得に動くとされ、さらには三都主アレサンドロの復帰もウワサされている。しかし、来期の補強者リストはそれだけではない。クラブ関係者が言う。
「今大会で世界3位になったことで、うちの選手の価値は確実に上がった。もちろん(鈴木)啓太みたいに海外志向のある選手はオフに動きがあるかもしれないし、それを見据えて補強していかなければいけないと思う。ただ、補強するのは選手だけに限ったことではありませんけどね」
いったい選手以外の補強とはどういうことなのか。前出の関係者が続ける。「実際のところオジェック体制ではワシントンが監督とモメて退団することになりました。来年もう一度世界一を目指してワールドクラスの選手を補強するなら、チームに順応するために外国人選手のケアが重要。その点から海外クラブのように監督とは別に外部からアドバイザー的なポストを置くことを考えても良い。例えば海外経験豊富なヒデとか適任なんだけどね」
なんと、このほどFIFAの親善大使に就任した元日本代表の中田英寿氏に白羽の矢が立ったというのだ。とはいえ、現在「自分探しの旅」に出ている自称フリーターの中田氏は来年について「旅は続けるけど、サッカーに関わっていきたい」としている。あくまで監督業には「教えるのに興味はない」としているだけに考えにくいが、アドバイザーなら話は別。日本サッカー界に戻ってくることだってなきにしもあらずといえる。
激戦のWCWで世界3位になり、日本サッカー界に大きな功績を残した浦和。日本が誇るビッグクラブ「ウィー・アー・レッズ」の飛躍に今後も期待がかかる。