「最も発達した段階の中心気圧は905ヘクトパスカル。3月では観測史上最大の勢力にまで発達した。1951年以降の台風で4月以前に最も気圧が下がったのは'89年の台風2号と'63年の台風1号でしたが、どちらも最低気圧は920ヘクトパスカル。今回はそれ以上の台風で、瞬間風速は75メートルと、ほぼ竜巻の中に入っているのと同じ猛烈な強さだったのです」(気象庁関係者)
世紀末を思わせる気象現象。日本へ上陸した場合を考えるとゾッとするが、その可能性について防災に詳しいジャーナリストの村上和巳氏が言う。
「この時期の台風は、太平洋高気圧の中を突き進むことができず、縁を廻り込むように中国大陸方面に進むため、99%日本への上陸はないでしょう。ただし、7月、8月、9月には日本列島に接近、上陸し、10月以降は日本列島の東の海上を北上する。海面水温の上昇により台風の勢力が強まって発生数も増えているため、今後このクラスの巨大台風が日本に接近することもあるかもしれません」
地球温暖化がこのまま進むと、今世紀中にも最大風速が秒速90メートルにまで達する猛烈な“スーパー台風”が日本列島を襲う可能性が強い−−。そんな予測を、名古屋大学地球水循環研究センターと気象庁の研究グループが公表している。
発表によれば、海水温が現在より2〜3℃上昇した場合、従来であれば海水温の低い海域に差し掛かるにつれ次第に勢力を弱める台風が、そのままの規模で日本に上陸するという。
怖いのは地震ばかりではない。