「能力的にデビュー時からずっと期待していたんだ。順調にここまで使えてきたし、馬自身も一戦ごとにたくましさが出てきた。もちろん、ブエナ相手にも逆転を信じてやってきた」。藤原助手は対ブエナに意欲をみなぎらせる。
前走のチューリップ賞(5着)では後方からの競馬を試みたものの、勝負どころで前が窮屈になって不完全燃焼の競馬となった。それだけに、今回は本来の好位差しへと戻す構えだ。
「今度はこの馬に最も合ったレースをさせたい。できればチャンスのある位置で競馬をさせたいね」
4角4番手から差し切った年明けのフェアリーSが示すように、立ち回りのうまさがこの馬の持ち味だ。後方でブエナビスタがもがくような事態となれば、世代ナンバーワンのレース巧者が、先頭でゴールを駆け抜ける可能性は十分にある。
「前走を使って、具合がすごく良くなった。この中間は馬自身もうなっているよ。あとは鞍上がこの馬の力を引き出してくれると思う」
陣営からすべてを託された福永騎手は、安藤勝と並んで過去10年間で桜花賞を2勝している。平成の桜男が世紀の番狂わせを演じる可能性は十分ある。
【最終追いVTR】福永騎手がまたがり、坂路800メートル52秒9→38秒3→12秒3(G一杯)をマーク。鞍上の追い出しに鋭く反応し、力強く伸び脚を披露した。馬体の張りもよく、好仕上がり。