しかし、それとは別に大人の世界でも、同じような噂が囁かれていた。それは、もっぱら賃貸や個人向け物件を扱う都市部の不動産業者同士の内輪話として、そのような噂が流れていたとされるのだ。
賃貸や個人向け物件には事故物件というリスクが付きまとうためか、もともと不動産業者には土地や人にまつわるインネンやゲンを「担ぐ人」が多く、その種のオカルトめいたうわさ話を嫌う人も少なくないが、他方で密かに信じる人も少なくなかった。さらに、当時はバブル景気のまっただ中で、俗に地上げと呼ばれた強引な土地売買も横行しており、それにともなうトラブルが社会問題化していた。
そして、進学や就職などによって継承されにくい青少年の噂と違い(都市伝説3〜6年周期説は青少年のライフサイクルを根拠としている)、地域に密着した不動産業者の噂には持続性があった。また、不動産業者には地元のことを熟知しているイメージもあり、信ぴょう性を帯びていったのだろうと推測する。
では、実際にレンズ付きフィルムで撮影すると、心霊が写りやすかったのだろうか?
結論から言うと、レンズ付きフィルムで撮影された心霊写真は非常に多く、また構造や使用状況などからも写りやすかった可能性は高いと推測できる。
なぜ、レンズ付きフィルムは心霊を写真に撮りやすかったのだろうか?
(続く)