しかし、魂は空気のように目に見えないものであるため、それが実際に「ある」かどうか判断することは難しい。霊感のある人ならば幽霊などの形で視認できるのかもしれないが、霊感のない人には困難がつきまとう。
そこで、もし魂が質量のある物体として存在しているのなら、人が臨終を迎えて亡くなった際には必ず重量が僅かながらも減るはずだ、と考えた人がいる。
アメリカはマサチューセッツ州の医師、ダンカン・マクドゥーガル博士はこの推論から、入院している瀕死の結核患者をベッドごと当時の最新型の秤に載せ、人が亡くなった直後から生じる体重の変化を計測することにした。
もっとも、遺体はそのまま放置していけば乾燥したり、内容物が流れ出たりする。そこで博士は死後に失われる体液や漏れる空気なども考慮に入れて計算した結果、魂の「重さ」は21グラムであると結論づけた。
もちろん、この説には様々な異論が出てきている。蒸発した水分の量ではないかとする意見や、サンプルが少ないので結論付けるには早過ぎる、という意見などだ。だが、多くの人々にこの実験は興味深いものとして捉えられたようで、彼以外にも魂の重さを計ったりした人物はいたようだ。
こちらの写真も、そんな臨終の人を観察していた際に撮影されたものだという。
床に伏せている男性の耳元あたりに奇妙な白く長い光が尾を引いて映っており、繭玉のような白く大きなぼんやりとした塊が男性の上に乗っている。
これこそが、男性の体から魂が出た瞬間を捉えた写真であると言われている。だが、もちろん真偽は定かではない。ネガに指紋が付いてこのように写ったとされる意見もある。
ともあれ、我々が魂の存在を実証する日が来るまで、この写真の謎が解かれる日は来ないのではないだろうか。
文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所