「以前は各スポーツ紙が力を入れていて、全歌手の視聴率を集計しグラフ化していた。しかし、数年前から、ある業界団体の“圧力”で、各紙とも視聴率が高い方の歌手しか出さなくなった」(音楽業界関係者)
紅白出場歌手を巡っては、以前からそのギャラの安さがたびたび話題になっていたが、それもそのはず。
「視聴者の受信料収入で成り立つNHKは国会が毎年の予算を承認。そのため、各番組に対する予算計画を出さないといけないが、毎年紅白の制作費は3億円程度、そのうち、出演者へのギャラは総額で1000万円程度と言われている。そのため、豪華な衣装や派手なセットは歌手が自前で用意しなければならない」(放送担当記者)
以前、演歌歌手の小林幸子が紅白の常連だった頃、紅白で着た衣装を年明けの自分の公演で披露。衣装で集客して制作費を“回収”していたのは有名な話だった。
では、最近のギャラランクはどうなっているのだろうか?
「新人アーティストの相場は5万円。昨年だと菅田将暉、Official髭男dism、日向坂46はそのランク。その上は10万円程度でAKB48、関ジャニ∞らはそのランク。その上が30万円で松田聖子、郷ひろみ、氷川きよし、福山雅治ら。最高ランクは50万円でベテランやトリを務めるクラス。五木ひろし、石川さゆり、嵐らがこのランク」(レコード会社関係者)
グループの人数が多ければ多いほど、自分たちの“持ち出し”が増えるが、紅白出場により老若男女まで視聴者へのPR効果は絶大だが…。
「昔は、演歌歌手は紅白に出るか出ないかで営業の本数が変わったりしたが、今はさほど影響がない。リハーサルから本番まで散々拘束され、ギャラはまったく割に合わないのが現状」(同)
それでも、紅白は続くのである。