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村田修一の独立リーグ移籍から見えるもの

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村田修一

昨年10月に巨人から戦力外通告を受け、所属球団が決まらずにいた村田修一の栃木ゴールデンブレーブスへの入団が正式に発表された。記者会見では、栃木入団までの経緯や現在のコンディション、NPBへの想いと共に、BCL(ベースボールチャレンジリーグ)での対戦相手への意気込みも語っている。

■入団会見から伝わるもの
「対戦相手のピッチャーは体に近いところに向かってきてくれて構わない」
元・二年連続ホームラン王から独立リーグへの『宣戦布告』と捉えたファンも少なくないだろう。

その言葉からは、これまでの経験から来るプライドも窺うことができ、NPB復帰へ向け結果を残す自信も感じ取れた。無論、その意気込みは、同じくNPBを目指す野心溢れる野球人たちにも届いているはずだ。そして、村田のBCL入団の影響は単に個人のことだけに留まらない。

特に対戦する他球団にとっては、『おいしい獲物』でもあることは間違いない。

BCLは2007年のリーグ戦開始以降、毎年、育成枠を中心にドラフトでの指名を受けNPBへ選手を送り込み、昨年には支配下枠で史上最多となる4名の選手が指名されている。球団数も増え続け、現在は10球団による2リーグに分けられ、来年以降も新球団参入が予定されており、日本のプロ・アマ野球界にとって、マーケットとしての存在は大きなものになってきている。

また、2018年シーズンより、各球団所属選手(上限27名)の年齢を26歳までという年齢制限を設けている(オーバーエイジ枠5名まで)。選手たちのセカンドキャリアを考慮したことと、NPBへのドラフト対象となる平均年齢が20歳代前半までであることを踏まえての変更であり、これにより、BCLに登録されている選手はこれまで以上にドラフト指名を受ける可能性が高まることになる。

今シーズン、リーグ所属の血気盛んな投手たちにとって、元日本代表でもある村田と対戦すること、さらにはBCL経由で、再び日本のトップカテゴリーへの帰還を目論むスラッガーを抑え込み、返り討ちにすることはNPBスカウト陣へのアピールという面において絶好の機会を得ることになる。

■野球に対する感謝を胸に
村田の栃木ゴールデンブレーブスとの契約は、NPBへの復帰が優先されるものであるという。つまり、リーグ開幕直後でも声がかかれば移籍が可能となり、BCLへの在籍は短期間になる可能性もある。会見で村田が語った『1打席1打席、集中して挑みたい』という言葉は、対戦する投手たちにも同じことがいえるだろう。
また、ピッチャーに限らず、同じく打者も元・本塁打王からいくらでも感じ取り盗めるものはあるはずだ。当然、チームメイトとしてもしかり。全てのリーグ所属の野球人、さらには我々ファンも含めて、村田修一というプレーヤーに没頭できる時間が与えられたことは極上の喜びであることに他ならない。

会見の最後は、「野球をする環境を与えてくださった栃木ゴールデンブレーブスに感謝し、元気な姿で野球している姿をお見せしたいと思います。」と締め括っている。

BCLを構成する2つのリーグの名称はFUTURE(East)とADVANCE(West)。未来に向かい、前へ進む為、野球人はプレーを続ける。夢をあきらめない男たちの2018年シーズン開幕は目の前だ。(佐藤文孝)

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