まず最初に試合を動かしたのは、アジアカップ初勝利を目指すトルクメニスタン。前半27分、左サイドでボールを受けたFWアマノフがペナルティエリア外から右足を一振り。GK権田修一の手を弾く豪快なミドルシュートを叩き込み、日本から貴重な先制点を奪い取った。
予想外の劣勢となった日本は、試合を振り出しに戻すことができないまま前半を終える。しかし、エンドが変わった後半11分、MF原口元気からのパスをペナルティエリア内で受けたFW大迫勇也が、巧みな切り返しからまずは同点の一撃。その4分後の同15分にも再びゴールネットを揺らし、一気に試合をひっくり返した。
後半26分にMF堂安律のゴールで3点目を奪った日本は、その後同34分にPKで失点を喫するも同点までは許さず。3-2でなんとか逃げ切り、初戦を白星で飾ることとなった。
FIFAランキングでは格下のトルクメニスタンを相手に、思わぬ苦戦を強いられた日本。今回の試合を受けたネット上には、「何とか逆転したけど不安が残るな」、「力関係を考えると無失点で勝つべきだった」、「守備陣このままで大丈夫かなあ」といったコメントが少なからず寄せられている。
ただ、過去の大会における初戦の結果を振り返ってみると、形はどうであれ勝ち切ったことは非常に大きな意味を持つ。日本は1988年大会から前回2015年大会まで8大会連続でアジアカップに出場しているが、初戦に勝利した1996年、2000年、2004年、2015年は全てグループリーグを突破。また、2000年と2004年の2大会に関しては、その後決勝トーナメントを勝ち進みアジアの頂点に輝いているのだ。
今試合の直後に行われたウズベキスタン対オマーン戦(2-1)の結果により、グループ首位に立った日本。過去の4大会と同じように、このままグループリーグを突破することはできるだろうか。
文 / 柴田雅人