2018年は4月、3年間指揮を執っていたハリルホジッチ監督を解任してワールドカップロシア大会に臨んだ。2大会ぶりにベスト16に進出し、ベルギーに惜敗。また大会終了後には五輪兼任監督としての森保体制がスタート。これまでにない出来事が相次いだ1年となった。
4勝1分けと景気のいい話題で締めくくった森保一監督ではあるが、次なる試練が来年早々に訪れる。1月5日からUAEで開催されるアジアカップだ。
■過去4度、王者に君臨
ハンス・オフト監督(当時)が率いて初優勝を果たした1992年の広島アジアカップから前回大会までの7大会で、日本の優勝回数は4度を数える。
川口能活、中村俊輔、中澤佑二らが中心となった2000年、2004年大会では連覇を成し遂げ、2011年大会でも本田圭佑、長友佑都らの活躍でアジアを制している。優勝に届かなかったのは1996年、2007年、そして前回の2015年大会。初優勝以降、日本は2大会続けてアジアカップを逃したことはない。
日本にとって未知のステージでもあるW杯のベスト8を目指すに、もはやアジア勢に対しては常に凌駕するレベルにいなければならないはずだ。前回大会のUAE戦では、日本は相手の守りを崩せずにPK戦に持ち込まれ、敗れた。今大会でも同じシチュエーションが再び訪れることは想像に難くなく、自らが主導権を握りゲームをコントロールする中でいかにして得点を奪うか、その戦術が求められる戦いでもある。
■東京五輪へ向けての実戦として
さらに今回、森保監督にはもう一つミッションがある。「五輪世代」の育成だ。
昨年のU-20ワールドカップにも出場した堂安律、冨安健洋はすでにフル代表の核として全試合に召集されて試合を重ねてきた。他の五輪世代メンバーも今年はジャカルタ・アジア大会、先日行われたドバイカップといった世代別の実戦の場で経験を踏んでいる。東京五輪では開催国として出場が決まっており、予選を勝ち抜く必要がある他国とは真剣勝負の場数が異なり、フル代表に比べると試合の数も少ない。フル代表を兼ねる森保監督が五輪メンバーを国際Aマッチにどれだけ呼ぶことができるか、来年のアジアカップでも選手の顔ぶれには注目だ。
日本サッカー界にとって激動の2018年がもうすぐ終わり、新たなステージに踏み出す。その重要な一歩として挑む1月のアジアカップUAE大会。現役時代に選手として優勝経験を持つ森保監督が日本代表の指揮官となり、どんな戦いを見せるか大いに期待したい。(佐藤文孝)