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日本ダービー(JpnI 東京芝2400m 6月1日) キングカメハメハ以来の変則2冠へ ディープスカイがこん身の仕上げ

 その軌跡は、名馬のそれと重なる。2003年のキングカメハメハ以来、NHKマイルCとダービーの変則2冠へ、ディープスカイが挑む。
 最高潮だ。素晴らしい末脚でマイルCを制した後、さらにデキは上向いている。それをはっきり示したのが22日の1週前追い切りだった。栗東坂路で800mを51秒2→36秒5→12秒1という猛烈なタイムを弾き出した。

 騎乗した四位騎手は驚きを隠さなかった。「あれが本追い切りのつもりで乗ったんだけど、オーバーワークにはならないようにしたつもり。それであの時計でしょう。正直、ビックリした」と笑みを浮かべた。柔らかく、素早い身のこなし。肌が初夏の日を鋭く照り返し、ぎこちなさがどこにもないのは体調がいいからこそだ。
 見届けた昆師も興奮気味だ。「皐月賞をパスしたから、まだ上積みはあると思っていたけど、それにしても素晴らしい時計、動きだった。今のデキを維持できれば大丈夫じゃないかな」大丈夫という言葉に力を込めた。一生に一度の舞台、競馬関係者だれもが一番あこがれるそのレースを前に、大丈夫といえる自信はすさまじい。
 NHKマイルCは強かった。馬込みを苦にせず、ゴーサインが出ると俊敏に反応。なおかつ長く末脚を持続させ、後方から一気に内を突いて突き抜けた。そのパフォーマンスは毎日杯を凌が。よほど東京が脚にフィットするのだろう。
 今回は距離延長が唯一の不安ともいえるが、師は「前走はゴールを過ぎてもまだ伸びていた。折り合いもつくからね」とまったく意に介していない。確かに体形も胴がゆったりしたつくりで、受けるイメージはむしろ2000m以上でこそだ。
 昨年のウオッカから連覇がかかる四位も力が入ってきた。「距離はこなせると思って乗るし、デキに文句はないからね。無事なら結果はついてくる」
 不安のかけらも見当たらない。マイルと2400mのどちらも強いという現代型名馬がまた一頭、誕生するか注目だ。

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