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年金75歳時代 400円で年金受給を増やせる裏技があった!(1)

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提供:週刊実話

 老後資金2000万円をきっかけに噴出した年金問題。5年に1度公表される試算(財政検証)でも、年金受給額が目減りしてしまう厳しい未来が浮き彫りになった。受給開始は75歳までの先送りも視野に入っている。年金だけでは暮らしていけないが、もらえるものは、しっかりもらっておきたいのが庶民感情だ。
「財政検証は、年金の健康診断のようなもの。公表のタイミングも、出てきた数値も不健康そのものだった」(野党関係者)

 厚労省が公表した財政検証は公的年金の長期的な見通しを試算するもの。5年に1度の定期健診が前回実施されたのは2014年で、結果は同年6月3日に公表された。今回も同時期になるとみられていたが、なぜか3カ月近く遅れ、8月27日にずれ込んだ。

 根本匠厚労相は「試算に時間を要した。意図的ではない」と言うが、とても額面通りには受け取れない。理由はもちろん、参院選(7月21日投開票)への影響を避けるためだ。第1次安倍政権で行われた2007年の参院選では「消えた年金問題」が炸裂して与党が大敗、政権は崩壊した。

 今回も参院選直前に、「老後資金2000万円」問題が噴出していた。金融庁の報告書で、95歳まで生きる場合、公的年金以外に夫婦で2000万円の蓄えが必要だとする内容で、年金不安が一気に高まっていた。

 そんな中で参院選前に財政検証を公表していたら火に油を注ぐようなもの。安倍政権にとっては12年前の悪夢再現となるところだった。

 露骨な政治判断で、遅れて公表された試算の結果はわれわれ庶民にとってまさしく悪夢。中身をざっくりいうと、「モデル世帯」の夫婦が65歳で年金受給を開始する場合、2019年の受給額は月22万円。現役世代の平均手取り収入の61・7%がカバーされる。

 「月22万円で夫婦でやりくりするためには、モデル世帯で中心となる出費のうち、食費5万円、光熱費2万円、通信費を1万円に抑えたいところです。もう一つの大きな項目である住居費については、理想は年金受給開始までに住宅ローンを終えておくことで、賃貸の場合はなるべく安いところを探すべきでしょう」(ファイナンシャルプランナー)

 ただ、夫婦で月に22万円ならさほど悪くない、と思った読者もいるのではないか。だが、「モデル」というのがクセ者なのだ。

 夫は厚生年金の保険料を40年間きっちり納めている。つまり、それなりの会社で正社員として定年まで勤め上げたというのが前提となっているのだ。平均手取り月収がボーナス込みで34万8000円。そして妻は40年間、専業主婦というこのご時世では勝ち組ともいえる水準だ。

 また、手取り額が約17万8000円の世帯の場合、年金受給額は17万5000円となる。

 これはあくまでも厚生年金と基礎年金(国民年金)を合計したケースで、自営業者や非正規社員など厚生年金に入れない人は国民年金だけ。こちらは40年間マジメに年金保険料を納めても約6万5000円にとどまる。夫婦でも約13万円。収入や雇用が不安定で納付期間が短い場合、受給額はさらに下がってしまう。

 雇用が不安定で収入が低い傾向がある非正規労働者は、いまや労働者の約4割にものぼっている。一刻も早く厚生年金の加入対象拡大を進めたいところだが、実はハードルが高いのだ。
(明日に続く)

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