店内は仮想の鉄道会社「NAER(ニュー・アキハバラ・エレクトリック・レールウェイ=ナエル)」の車内をイメージしたつくり。入店時にレジでチャージ料500円を支払い切符を受け取る。全40席の店内を“車内改札”が回り、「乗車券を拝見しま〜す」と女性車掌がハサミを入れていく。この切符のリアルなこと。壁に掲げられた車両プレートや記念パネル、鉄道模型のNゲージなどを酒の肴に客同士の会話が弾み、2月下旬に開店して以来ほぼ満席が続いているという。
駅長の紅乃さんは「おかげさまで毎日、毎日オープンから満席状態で鉄道ファンのかたはこういう店を待ち望んでいたんだと実感しています。現役のJR職員や私鉄職員さんもいらっしゃいますよ」と打ち明ける。
フードメニューは路線図を真似たデザインだ。「揚げ物線」「サラダ線」など系統ごとにまとめられている。カクテルメニューはファジーネーブルなら「中央線」、メロンジンジャーなら「山手線」と車両のカラーとマッチする内容。「おススメはオリジナルカクテルです。その日の気分で『江ノ電で』とか『わたらせ渓谷鉄道で』などとオーダーしてくだされば、こちらでぴったりのカクテルをつくらせていただきます」(紅乃駅長)と凝りに凝っている。
車掌や車内販売員などさまざまな鉄道コスプレで接客する計12人の女性店員には、大宮・鉄道博物館の年間パスポートを持つツワモノもいる。席でゆでたまごを剥いてくれたり、おにぎりを握ってくれるサービスも。居心地がいいので“乗りすごさないよう”注意が必要だ。