すでに一部報道では打ち切り説もささやかれている。大河ドラマは1月に始まり12月に終わる。時間と予算をかけて1年を通してじっくりと作り込む作品である。1993年放送の『琉球の風』のように最初から半年の放送が定められたり、2009年の『天地人』のように最初から少ない放送回数が設定された例はあるものの、これまで大河ドラマは打ち切りになったケースはない。
ただ、民放のドラマでは視聴率が伸びなければ、スポンサーに示しがつかないということで、容赦なく打ち切りになっている。 2006年放送の『下北サンデーズ』(テレビ朝日系)は、石田衣良の同名の小説を原作とするドラマである。上戸彩が主演を務め、下北沢の小劇団を舞台に、演出は堤幸彦と「サブカル色」が目玉であったが、視聴率が伸び悩み1話短縮となった。上戸は2003年の初主演作品『ひと夏のパパへ』(TBS系)も1話短縮されており、知名度に比しての低視聴率&打ち切り女優といわれている。
人気漫画家、西原理恵子の自伝エッセイをドラマ化した2010年放送の『崖っぷちのエリー〜この世でいちばん大事な「カネ」の話〜』も、1話短縮となっている。この作品は西原役を山田優が務め話題となった。だが、コメディ色の強い演技に山田がハマらず、打ち切りに至った。以降、女優としての山田の姿は数えるほどしか見られない。
2012年にオダギリジョー主演で放送された『家族のうた』(フジテレビ系)は、記録的な低視聴率に悩み、3話短縮の全8回で終了となった。作品の内容は元人気ミュージシャンが、家族との関わりで自分を見つめ直すものである。地味なテーマであるが、良作との声も多く「視聴率ありき」の批判も生じた。
民放のドラマは、基本的に3か月をワンクールとする。10〜11話の予定が、視聴率によって短縮されるケースが多い。だが、『いだてん』の場合は、そう簡単には決断はできなさそうだ。