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オークス スカーレット 2冠奪取へ視界良好

 桜花賞馬はこのワタシよ!ウオッカのダービー挑戦が話題先行するなか、ひと足先に20日(土)、東京競馬場で「第68回優駿牝馬(オークス)」(JpnI 芝2400m)が行われる。2冠を狙うダイワスカーレットは、桜の“準ミス”に何やらヒロインの座を奪われてしまったかのようだが、あくまで「人は人、自分は自分」である。牡馬相手に内容が重視されるライバルに対し、こちらは結果まで問われる身。もちろん、それに応えられるだけの自信が陣営にはある。
 難攻不落といわれたウオッカの牙城を見事に撃破。道中掛かりながらも1馬身半という決定的な差をつけ、第67代桜の女王に君臨したダイワスカーレット。
 タイムも芝1600m1分33秒7と申し分ない数字に、松田国師は「前哨戦は後ろを走りましたから、地力アップを念頭に調整していました。アンカツさん(安藤勝騎手)も2回は負けたくなかったんでしょうね。きっちりとこの馬の力を引き出してくれました」と満面の笑みでファーストクラウンを振り返った。
 そのウオッカの路線変更に加え、3強の一角をなしていたアストンマーチャンが春全休。樫は一転、勢力図が書きかえられることになったが、トレーナーは涼しい顔でこう戦力分析して見せた。「ウチのついてきたのはウオッカだけ。その後ろは大きく離していましたからね」とまずは桜花賞組をバッサリ。フローラSで直線一気を決めた新興勢力のベッラレイアに関しても、「強いとは思うけど、前走でも上がり(3F)は35秒台でしょ。スムーズにスイスイといって35秒ならいいですけどね」と、先行できてなおかつ33秒台の脚を繰り出す愛馬との力量差を強調した。
 デビュー戦から王道を歩むことを義務付けられた血統馬らしく、ローテーションはすべてクラシックを見越したもの。もちろん、中間も調整に乱れはなく、1週前追い切りでは坂路800m52秒2→37秒3→12秒4。併走馬に楽々と0秒2先着し、さらなる地力強化の跡を見せている。
 「さらにすごみを増したって?いや、もともとすごい馬でしたから(笑)。でも、確かに馬はまた良くなっていますよね。力いっぱい走り切ってしまうところがあるので、デビューから2000mを使ったり、いろいろローテーションを考えてきました。それがいい方向に向いてきましたね」
 桜花賞の激走からひと月余り…。自信満々に胸を張る師の表情が、疲れらしい疲れもなく、順風満帆に樫に駒を進めてきたスカーレットの体調の良さを物語る。
 「とにかく戦っていない組は、もっと強烈なパフォーマンスを見せてくれないとね。今年の牝馬はレベルが高いですが、ウチのはそこでGIを獲ったわけですから。うまく折り合えれば」
 荒れに荒れている春の東京5週連続GIシリーズだが、そんな嫌な流れもどこ吹く風。桜の女王のプライドと2冠制覇へのゆるぎない自信…トレーナーの脳裏に敗戦の2文字はない。

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