民主党沖縄県連代表の喜納昌吉元参院議員が3月16日、同県那覇市で会見し、任期満了のため、11月に想定される沖縄県知事選に、鳩山元首相を擁立する考えを明らかにした。
3月中に都内で鳩山氏と会ったという喜納代表は、「ぜひ民主党から出馬してほしいと伝えた」と話した。
鳩山氏周辺によると、鳩山氏は「あり得ない」と否定したという。
県では米軍普天間飛行場(宜野湾市)に関し、昨年12月27日、仲井真弘多知事が同県名護市辺野古への移設を承認。もともと、仲井真知事は10年11月の知事選で、「基地の県外移設」を公約に掲げて当選。多くの県民や県議会では、「公約違反」と批判されているが、仲井真知事は「県外移設の公約は変えていない」と主張している。
来たる知事選は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設の是非が、おもな争点になるとみられている。
米軍普天間飛行場を巡っては、鳩山氏が首相時代に「最低でも県外」発言をして、県民に期待を抱かせたものの、以後迷走し、10年6月に首相を辞任した。
喜納代表は鳩山氏を擁立する理由について、「(『最低でも県外』発言の)責任を取ってもらいたい」と説明した。
鳩山氏は12年11月、同年12月の衆院選への出馬を断念し、政界引退を表明。13年6月には民主党を離党し、党とは一線を画している。
あくまでも、民主党県連が打診したというレベルの話で、よもや鳩山氏が受けるとは思えないが、鳩山氏には「最低でも県外」発言の責任があることは事実。ことのなりゆきに、注目が集まる。
(蔵元英二)