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深夜営業全店再開を発表した『すき家』“パワーアップ工事”の危うさ

 牛丼チェーン『すき家』が6月末までに、全国の店舗1980店の全てで深夜営業を再開すると発表した。アルバイトの採用が順調に進み、世間の集中砲火を浴びた深夜に1人で勤務するワンオペ体制を取らなくても済むことになったというのが理由だが、関係者は額面通りに受け取らない。
 「この3月決算でゼンショーHD(すき家の親会社)は創業以来、初の大赤字に転落する。これ以上、深夜営業の休止という“片肺飛行”を強いられれば会社は本当に野垂れ死にしかねません。そんな危機感の裏返しと理解すべきでしょう」

 すき家は昨年春、過重労働に悲鳴を上げたアルバイトの“集団脱走”が相次ぎ、大きな社会問題になった結果、閉店に追い込まれる店舗が続出した。とはいえ、プライドだけは高いゼンショーHDのこと、自らまいた種が故に「バイトの造反ラッシュで足元をすくわれた」とは言いにくい。
 そこで“パワーアップ工事中”と称して休業店舗の改装に着手、順次開業してきたのだが、世間にはすき家=「ブラック企業」のイメージが定着しており、バイトはそう簡単に集まらない。それどころか再開した途端に営業時間を短縮したことから「本当にリニューアルなのか」との声さえあった。

 背景にあるのは外食産業の離職率が、他の産業に比べ突出して高いことだ。給料が安い上、仕事がキツい。加えて、すき家はワンオペの深夜営業に活路を求めたことから強盗の標的となり“強盗御用達”の異名を取ったのもご承知の通りだ。
 「世間のバッシングを糧に再出発したならば、パワーアップ工事が終了した時点で全店が深夜営業の再開にこぎ着いたはず。それがかなわず、6月末まで期限を延長したのは、もう世間を欺けなくなった証拠。これで再びバイトの造反に遭ったら天下の笑いものです」(証券アナリスト)

 もはや切り札は、社員やアルバイトに対する破格の高給待遇しかない?

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