西野が芸人としてのあり方に悩み、アーティスト風を吹かせて過激な言動をしていた折、矢作のレギュラー番組『ゴットタン』(テレビ東京)に呼ばれた。そこで、“ばかやろう”と矢作から冷静なツッコミを受けることで笑いに変わり、もう一度芸人としての立ち位置を見直せたと感謝。さらに西野は、自身が思い切りやれば「全部面白くしてくれる」と、矢作に絶大な信頼を置いていることを明かした。
矢作といえば、先輩・後輩に関係なく芸人から慕われることで有名だ。アルコ&ピースやハライチ、三四郎など後輩芸人への面倒見が良く、事務所の垣根なくチャンスを与えてくれる兄貴的な存在といえる。また、先輩芸人である極楽とんぼ・加藤浩次は、さまざまな番組で「かわいい」「目に入れても痛くない」と何度も矢作を溺愛する発言をしている。
「矢作さんは、先輩芸人からも“さん”付けして呼ばれることがあります。例えば、同じ事務所のザキヤマさんこと山崎弘也さん、アンジャッシュの2人、他事務所ではバナナマンの2人、ケンドーコバヤシさんなどです。年齢的には先輩である矢作さん独自のルールで、芸人の上下関係を壊していった。それが所属事務所・人力舎の雰囲気を良くしたと、むしろ感謝されているそうです。普通の芸人ではあり得ませんが、人柄の良い矢作さんならではの逸話と言えます」(芸能ライター)
また、お笑い芸人以外にも矢作好きを公言する芸能人も少なくない。相方・小木博明の義理の母で歌手・森山良子は、『おぎやはぎのメガネびいき』(TBSラジオ)の中で、「矢作さん優しいから大好き」「たまに会いたくなる」と語っている。また矢作は、ツインボーカルユニットのCHEMISTRY・川畑要と親交が深く、プライベートではよく飲みに行く間柄だと公言。自身の番組にも定期的に川畑を呼び、息の合ったエピソードトークを繰り広げている。
矢作の評判はタレントだけではなく、スタッフにも行き届いているようだ。あるテレビ番組で、着替え終わった矢作の衣装にスタッフがお茶をこぼしてしまった。そのスタッフは周囲の先輩たちから怒られ、現場にピリピリと緊張が走った。すると矢作が、“謝んないでくださいよ、俺らすごい身分じゃないし”と発言。現場の空気が一気に和んだそうだ。
あらゆるジャンルの人間から好かれる矢作。一体、ほかのお笑い芸人とは何が決定的に違うのだろうか。
「矢作さんは高校卒業後、貿易会社に就職しています。入社して数年後、上海支店長を任されそうになったほど成績優秀だったようです。矢作さんは “揉め事があったら矢作を呼べ”と上司が他の社員に伝えていたほどの交渉上手。問題があっても、矢作さんが解決してくれると絶大な信用を置いていたそうです。いわゆる“芸人らしさ”がないのも、こういったサラリーマン時代の経験や処世術があってのことでしょう。だからこそ、どんな立場の人間からも“親しみやすい”と感じられるのかもしれません」(前出・同ライター)
良い意味で矢作は、芸人らしくない。“芸人とはこうあるべき”というセオリーをあえて持っていないのだろう。だからこそキングコング・西野のようなクセの強い芸人からも愛されるのかもしれない。今後も独自路線で、お笑いの世界を盛り上げていって欲しいものだ。