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元川悦子のサッカー魔法陣(11)

 2009年Jリーグがきょう7日から始まった。優勝の行方とともに注目されるのが個人タイトル。昨季はマルキーニョス(鹿島)が得点王とMVPをダブル受賞したが、そろそろ日本人のMVPが出現してほしい。その本命が日本代表の遠藤保仁(G大阪)だ。
 岡田ジャパンでは名実ともに大黒柱の1人だが、これまでのサッカー人生は日の当たる舞台に縁遠かった。
 プロ2年目には、小野伸二(ボーフム)ら「黄金世代」の一員として1999年ワールドユース(ナイジェリア)準優勝を果たしたが、稲本潤一(フランクフルト)の負傷で代役の座が転がり込んできただけ。本来は控えだった。その後、00年シドニー五輪は補欠、02年日韓W杯は落選、06年ドイツW杯はフィードルプレーヤーで唯一出場なしと、不運続き。
 代表のみならず、所属クラブでもそうだ。98年に入団した横浜フリューゲルスが1年で消滅。次の京都サンガはJ2に降格した。01年に移籍したG大阪でやっと安住の地を確保。03年以降、6年連続ベストイレブンを獲得するまでに飛躍した。

 昨季のG大阪はアジアチャンピオンズリーグも制覇。遠藤はアジアサッカー連盟のMVPに輝くはずだった。だが、表彰式当日にその事実を地元紙にすっぱ抜かれ、激怒したハマム会長が突然、ウズベキスタンの選手に変更したという。遠藤は「そのことは知っている。MVPは狙って取れるものじゃない。自分を前面に出しすぎるとチームのバランスが崩れることもある」と淡々としていたが、惜しいチャンスを逃したことは事実だろう。
 昨季はG大阪がJ1で8位に終わったことから、JリーグのMVPもお預け。20代最後の今季にJとアジアのMVPを狙う。
 「今年の目標はJ1、ナビスコカップ、天皇杯、ACLの4冠。今年のガンバは戦力が充実しているし、いけると思う」と自信をのぞかせたが、果たして思惑通りに行くのか。「無冠のスター」の今季に注目したい。

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