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IWGPヘビー級王座奪取の内藤哲也がトランキーロ政権樹立!

【尋常じゃない内藤の支持率】

 「この会場の雰囲気、この声援、あなたの耳にしっかり届いてますか? 新日本プロレスワールドをご覧の木谷オーナー」

 4・10両国国技館大会でオカダ・カズチカを倒し、夢だったIWGPヘビー級王座を奪取した内藤哲也は、渡されたベルトをリングに投げ飛ばしてマイクを掴み、“体制側の象徴”木谷高明オーナーを挑発した。この試合をシンガポールで見ていた木谷オーナーは、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの介入によるタイトル移動に憤り、飲んでいたビールを投げつけたという。しかし、当日もし木谷オーナーが来場していたら、大ブーイングと「帰れ」コールが送られていたのは言うまでもない。

 関係者の話によると、今回の両国大会は前売り券の売り上げが順調で、当日券も若干数のみの発売だったという。結果9,078人(超満員札止め)の動員をマーク。今大会用に作られたスペシャルパンフレットも完売した。会場にはロス・インゴベルナブレスグッズを身に付けているファンが数多く見られ、対戦カード発表のオープニング映像が流れた時点から会場は「内藤哲也王座奪取」に向けてすでにムードが高まっていた。

 そうしたファンの感情は、メインイベントで内藤の入場テーマ曲が流れると、大・内藤コールとなって爆発。最近の新日本の会場でテーマ曲に合わせてコールが起こるのは珍しい。逆にオカダには入場時からブーイングが飛ぶという異様な空気。これまでどんな選手を相手にしても余裕の表情を隠さなかったオカダだが、どんなに反則をしてもブーイングすら起こらない内藤を前に、徐々に焦りの表情を見せていた。まさに内藤の代名詞である「トランキーロ(焦んなよ)」の術中にハマってしまったというのが正直なところだろう。内藤は予告通りデスティーノでオカダを沈め、2011年1月から5年以上に渡り、棚橋弘至、オカダ、AJスタイルズの3人しか腰に巻いてないIWGPヘビー級王座のベルトを手にした。

【新しいパレハはSANADA】

 “何かが起こる”春の両国大会で今年も事件が起きた。メインの試合中、オカダがフィニッシュに向けて吠えたところに後ろから忍び寄る覆面を被ったマッチョマン。男はオカダを担ぎ上げるとハワイアン・スマッシャーを喰らわせ、自らマスクに手をかける…。正体は全日本プロレス、WRESTLE-1、アメリカTNAに所属し、現在はフリーとして活動していた真田聖也。前日に大日本プロレス札幌大会に参戦していたことや、髪型をイメージチェンジしたことで、最初は「誰だ?」という声も多く上がっていたが、直後に放ったムーンサルトプレスは名刺代わりというには十分な一発だった。

 真田とロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのメンバーには繋がりがある。BUSHIとは全日本時代の同期の仲、EVILとはEVILが渡辺高章だった時代にアメリカでタッグを結成し、カール・アンダーソン&ドク・ギャローズと対戦。そして、内藤とは新日本の入団テストを一緒に受けたというストーリーがある。また、東京スポーツが主催し、新日本、全日本、プロレスリング・ノアの3団体が2011年に日本武道館、2012年に仙台サンプラザで開催した東日本大震災復興チャリティー興行「ALL TOGETHER」では、両大会とも真田と内藤がタッグを結成。仙台大会の試合後に内藤が「もう真田とは同じコーナーに立ちたくない。もう俺を真田の横にくっつけないでくれ」と言えば、真田も「もう次はホント、組むのはないっすね。次は相手のコーナーにいることを望んでいます」と語っていた。同年7月に新日本と全日本が旗揚げ40周年記念として行った「サマーナイトフィーバー in 両国 WE ARE PRO-WRESTLING LOVE!」では内藤がタマ・トンガ、真田がジョー・ドーリングをパートナーに従え対戦し、試合後に握手を拒否したことからシングル対決への期待が膨らんでいた。

 こうした経緯があるだけに、あれから4年の月日が経ち、2人が対角線上に立つならまだしも、こんな形で組むことになろうとは全く予想できなかった。真田はSANADAとリングネームを改め、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの新メンバーとして次期シリーズからの参戦が決定。5・3福岡国際センター大会ではオカダとのシングルマッチが組まれた。実はSANADAとオカダはともに28歳で同い年。同世代のライバルが不在だったオカダにとっては、新たな刺激になるのではないだろうか。

【内藤の次なる挑戦者は石井】

 「俺に決定権があるなら、キャプテン・ニュージャパンと防衛戦30連戦やりますよ」

 次期挑戦者が石井智宏だと“会社に決められた”ことを不服とした内藤は、11日に新日本プロレスの事務所で行われた一夜明け会見でこのように発言した。内藤にとって石井は、先月行われた「NEW JAPAN CUP 2016」2回戦で勝った相手であり、「キャプテン・ニュージャパンのIWGP初挑戦の方が見たくないですか?」という内藤の言葉にも頷けてしまう。こうしたファン心理を突いた発言が、内藤が支持率をどんどん上げている一番の理由である。お互いに挑発合戦を繰り返している木谷オーナーとの遭遇も、木谷オーナーが会場を訪れたときに遅かれ早かれ実現するはずで、それを期待する声も多い。しかし、内藤はそんなファンに対しても「トランキーロ!」と言い放つはずだ。

 混沌とした時代に生まれた内藤哲也のトランキーロ政権。時代の後押しとともに長期政権となる予感がする。

(増田晋侍)

<新日Times VOL.14>

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