絶好調の4番がイチローに喝(かつ)!?
この日、全体練習を行ったサムライジャパン。第1ラウンドの舞台となる東京ドームで、WBC仕様となったマウンドの硬さの確認、選手には対戦相手の資料としてDVDが配布されるなど、本番に向け着々と準備が進んでいる。
サムライ戦士が実戦モードに切り替えていく中、気になるのはやはり3番を打つイチローの状態だ。イチローは宮崎での巨人との練習試合ではノーヒット。大阪で行われたオーストラリア代表との強化試合でも、2試合で内野安打3本と打撃の調子が上がらない。
この日はフリー打撃にで柵越えを連発し復調の兆しを見せたが、実戦に結びつくかと未知な部分が多い。そんなイチローに4番の稲葉から要望が出た。
「まだ足を使った攻撃を見ていないので、(28日の西武との練習試合では)イチローがどのタイミングで走るのか、確認したい。(イチローは)多分『稲葉さんは、好きに打ってください』と言ってくれると思いますけど…」。盗塁やヒットエンドランなどのアクションを起してほしいというのだ。
原ジャパンの理想とする打線はつなぐ野球。先のラウンドに進めば進むほど、投手の質も上がり長打は望めなくなる。盗塁やヒットエンドランなど機動力が重要となる。そのためにも、練習試合で1度でも多く試しておきたいというわけだ。ただ、出塁率が上がらないイチローにとっては酷な要求といえる。
稲葉の「出塁せよ」という檄(げき)は、眠れるイチローの打撃を復活させるきっかけになるのか。