まず、テロに関する噂。これはかつて世界を震撼させた9.11テロより今年でちょうど10年を迎え、また一連の無差別テロの首謀者と言われたウサマ・ビン・ラディンが米軍の掃討作戦により死亡したこともあり、イスラム教原理組織アル・カイーダなどの過激派組織が『弔い合戦』のような形で何らかのテロを企てている、という物。確かに、今までの事例から彼らがテロを起こす日は象徴的な日が多かった。しかし、いずれも噂の域を出て居らず、真偽のほどは自分自身で確認するしかないだろう。
また「9月13日に再び日本の、今度は東海地方で大きな地震が起きる!」と言う噂があり、その根拠にブラジルの預言者、ジュセリーノによる予言があったという話がある。彼の予言は地元の公証役場に保管され、その文書が事件が起きる前に書かれた物である事を示す日付の公的な記録と共に残されているため、予言の内容は操作のしようがなく、的中率も高いと言われている。しかし、彼の予言は後から日付を書き換える余地のある物である事が証明されている。つまり『後出しジャンケン』でどうにでもなるものなのだ。しかも当の「9月13日の大地震」は実は「2008年に起きる」事に対しての予言であり、流石に3年も経った予言を出してくるのはアンフェアとしか言いようがない。
また、巨大彗星の衝突の話も出ているが、これは元の噂の出所がかなり怪しい上に、この時期になってもなおそれらしき天体が観測されない事からも、とりたてて騒ぐ必要は無いだろう。もし、噂されているような巨大彗星が地球に近づいているならば、各国の天文台や市井の天文ファン等がとっくに見つけていて、大きなニュースとなっているだろう。
進まぬ震災復興に放射能、世界同時株安と不況など、『よくわからない不安』が蔓延する時には、便乗してかこういった不安を煽るような流言飛語が飛び交いやすくなる。噂はあくまで噂として、あくまで参考程度にして自分の意見を持つ事が大切なのである。
(黒松三太夫 山口敏太郎事務所)