そんな炎鵬が、春場所(3月)でトップに立った十両部門の結果はどうだったのだろうか。今場所は“前王者”と入れ替わるように圧倒的な支持を得た力士が出現した。2、3位も含めて、今場所の結果を以下に見ていこう。
■3位:隆の勝(東十両4枚目/1位0回・2位2回・3位3回/合計5回)
豊山 (東十両5枚目/1位1回・2位2回・3位2回/合計5回)
彩 (東十両13枚目/1位0回・2位2回・3位3回/合計5回)
今場所3位にランクインしたのは、共に登場回数5回を記録したこの3人。隆の勝(7勝8敗)、彩(6勝9敗)の2名は、どちらも負け越しを喫した上でのランクインとなっている。
ちなみに、隆の勝は先場所も登場回数7回で3位を獲得。この票の集まり方を考えると、成績がかみ合った時は“大化け”も期待できそうだ。
■2位:安美錦(西十両11枚目/1位1回・2位4回・3位1回/合計6回)
2位に入ったのは40歳のベテラン安美錦。先述の隆の勝と同じく、こちらも負け越しを喫しながら2場所連続で同じ順位を獲得した。この1年は十両で一進一退の成績が続いているが、人気面ではまだまだ衰えは感じられないといったところか。
■1位:貴源治(東十両2枚目/1位9回・2位2回・3位0回/合計11回)
「13勝2敗」をマークし十両優勝を果たした貴源治が、圧倒的な数字でアンケート部門も制し“二冠”を達成。4日目から10日目にかけ7日間連続で日別1位を獲得するなど、場所を通じて多くの票を獲得し続けた。
なお、先場所の炎鵬と同じく、貴源治も来場所の新入幕がほぼ確実な情勢となっている。ステップアップする貴源治の人気は幕内でも猛威を振るうのか、そして2場所連続の“王座返上”を経て次に頭角を現すのはどの力士なのか。来場所も注目点が多くなりそうだ。
文 / 柴田雅人