張本氏が猛批判したのは、9日の広島対中日戦。中日・笠原祥太郎が広島・鈴木誠也に対し、4つボールを投げたもののフォアボールとせず、プレー続行となり、鈴木がセカンドゴロに倒れたシーンだ。
審判としては超初歩的なミスを見た張本氏は大激怒。大声で「喝だ、アンパイア。何を考えているんだ」と叫ぶと、「ピッチャーは知ってるんですよ。でもね、言わないんですよ。フォアボールはそのまま一塁に行くからね、次はひょっとしたら抑えられるんじゃないかと思う。バッターも気がついてるんだよ、打てるじゃないかと思うから言わない」と指摘。さらに、ゲストの元広島・巨人の捕手西山秀二氏によると、捕手もわかっていて黙っていたという。
そして、張本氏は審判だけがわかっていなかったとして、「アンパイアはなにを考えているのかね。アウトカウントとかね、ボールストライクのカウントは基本なんだもの。おそらく今日が終わったら、何を食べようかどこに行こうか、こういうことしか考えていないと思う」と厳しく審判員を糾弾した。
この発言に視聴者は賛否両論の声を上げる。「その通り」「この件については張本と同じ意見」など、同調する声も多かったが、「そこまで言うことはない」「暑さもあったのでは」「あんたも何も考えてないだろう」など、審判に対して同情的な声も出た。
フォアボールにもかかわらずプレーが続けられたケースは、1987年の巨人対広島戦でも発生。この際は打者の吉村禎章がレフトスタンドにホームランを放っている。
なお、このとき捕手の達川光男、投手の白武佳久、そして広島の指揮官だった阿南準郎監督全てがフォアボールに気がついていたが、「儲けた」とばかりにプレーを続行。その結果ホームランを打たれることとなり、「素直に指摘するべきだった」と反省している。
今回は鈴木誠也がセカンドゴロに倒れたため、中日としては「大怪我」に至らなかったものの、4ボールで試合を進めてしまうのは明らかに審判の落ち度。「どこに行こうか、何を食べようか」考えていたとは思えないが、そのように言われても仕方のない失態だ。
今後このようなことがないよう、審判員には注意してもらいたい。